古い伊万里の染付藤花形皿
先日 長正司公園の藤花を見てきましたが、そう言えば今我が家に飾ってある古い伊万里の
小皿は藤花の形をしたものです。
染付 藤花文 藤花形小皿
薄い陽刻が藤の花の部分に施されています。その上に呉須の濃みの濃淡をつけて
藤の花弁を浮き上がらせています。この斬新な下がり藤のデザイン、江戸時代の職人さんの
見事なセンスを感じます。 糸切成形により作られたものです。 長径11.2cm
糸切り成形とは
轆轤を使用しないで作る方法として、糸切り成形(糸切り細工)があります。
糸きり成形は、粘土の塊の周りに同じ厚さの板を置き、糸で均等な厚さにスライスした粘土版を型に押し当てて作る方法です。型ができたら高台の型を上に置きその周りに粘土を貼り付け高台を作ります。
この小皿は1670〜80年代に作られたものです。
このころの出来事
・1670年:ロシアで農民戦争が起こる(ステンカ・ラージンの乱)。
・1673(延宝1)年:分地制限令(田畑の分割相続の制限)が出される。
・1673(延宝1)年:三井高利が江戸と京都に越後屋呉服店を開く。
・1673(延宝1)年:初代市川団十郎が江戸で荒事を演じる。
・1675年:イギリスにグリニッジ天文台ができる。
・1678(延宝6)年:初代坂田藤十郎が大阪で和事を演じる。
・1680(延宝8)年:綱吉が将軍となり堀田正俊が登用される。
・1680年:ライプニッツが微分法を発見。
・1681(天和1)年:綱吉が江戸に護国寺を建てる。
・1682(天和2)年:江戸で大火(八百屋お七の家事)が起きる。
・1683年:清が台湾を平定する。
・1684(貞享1)年:大老堀田正俊が江戸城中で若年寄稲葉正休に刺殺される。
・1685(貞享2)年:将軍綱吉が最初の生類憐みの令を出す。
・1686(貞享3)年:井原西鶴の『好色五人女』が発刊される。
・1687年:ニュートンが万有引力の法則を発見。
・1688(元禄1)年:柳沢吉保が側用人になる。
・1688(元禄1)年:長崎に唐人屋敷を作る。
・1688(元禄1)年:井原西鶴の『日本永代蔵』が発刊される。