クイズングラス(ルーペ)
寄る年波に勝てないのか、最近小さな文字が読みづらくなって来ました。
老眼鏡はまだ使っていないのですが、気が付くと机の片隅に飾りのように置いてあったクイズングラスの実用としての出番が多くなって来ています。
このクイズングラス(ルーペ)は1830年頃のイギリスのものです。
金に見える部分は、実はピンチベックという銅と亜鉛などの合金で出来ています。
イギリスの時計職人ピンチベックが18世紀初めに発明した「高価な金の代用品」としての合金を「ピンチベック」と呼びます。代用品と言っても、当時はかなり高価な素材でした。
大きな金鉱が発見され金の価格がやや下がった19世紀半ばまで使われましたが、ピンチベックの製法は伝承されず 今ではアンティークジュエリーなどでしか見ることが出来ません。
持ち手は動きます。チエーンや紐を通して首から下げたりバックに忍ばせたりと長い年月愛用されたものなのでしょう。
目の衰えの少々の不便さも、このクイズングラスは優雅な気持ちに変えてくれます。