ネパールの大地震

地震で瓦礫と化した、ネパールの様子をTVで見ると、これからこの国はどなるのだろうと心が痛みます。

工業化の遅れが顕著で、取り立ててこれといった産業がないネパールでは、農業に従事する人口比率が多く、自給 生活に必要な穀物の不足はないものの、現金収入になるほどのものではありません。
海外へ出稼ぎに出た人々からの送金に依存する経済体質となっています。

ネパールの重要な産業として観光産業があります。全労働力の7%にあたる約100万人が 従事していて、
収入の8%を観光業が占めています。
カトマンズ盆地には、仏教やヒンズー教の寺院が集まるパタンや、中世の街並みが残るバクタプルなどの古都が集中。主要な史跡は世界遺産に登録されていますが、それらが今回の地震で崩れ、がれきの山になっている様子を見ると、今後の人々の生活の立ち直りが心配です。

2007年12月に訪れた首都カトマンズのダルバール広場は見るかげも無くなっていて、修復も不可能ではないかと思うほどの壊滅的な姿。

ただでさえ豊かとは言えないネパールはこれからどうなってしまうのでしょうか。

山道を幼い女の子が水汲みの為に歩いていた姿を思い出します。豊かでない家庭の子どもは、学費を払えず、家計を助けなければならないという理由から、水汲みや農作業、家族の世話などの負担の大きい家事労働や、農業や繊維産業などの経済的活動に従事させられることがあります。特に女の子や女性が教育を受けることに対する理解が不足していて、女の子は幼い時から働き手として考えられます。

「飲み終えたペットボトルは道に置くと、水汲みに使って貰えますよ」ネパールの事情をよく知っている方の言葉も忘れられません。

ダルバール広場のクマリの館もおそらく今回の地震で被害を受けたでしょう。幼い時から家族と離れ館の中だけで「生きた女神」として過ごしているクマリは無事だったのかも気にかかります。

戦争や災害があると一番気にかかるのは弱い立場にある子供たちの事ですが、今回の大地震はネパールの子供、特に女の子達の人生にどう影響していくのかとても心配です。