デフォルトした日本国債

ギリシャ合意ずれ込み 債務削減交渉、損失割合で溝  このようなニュースが流れています。

産経新聞 1月22日(日)7時55分配信 ギリシャの債務削減をめぐる同国政府と民間債権者側との交渉が再び難航し始めた。同国政府と交渉していた国際金融協会(IIF)の専務理事が21日、ギリシャを離れた。電話での協議は続けるものの、合意が週明け23日以降にずれ込む可能性が出てきた。
 交渉では、銀行などが保有するギリシャ国債の額面の半分を放棄した上で、新たな国債と交換する際の金利が焦点となっている。
 IIFは20日の交渉後、「要素は整いつつある」との声明を出し、合意の期待が高まっていたが、利子収入の減額を含め、民間側の損失が65〜70%に拡大する可能性があり、再び溝が深まったとみられる。
 国際通貨基金IMF)とドイツ政府が、民間側により厳しい条件を持ち出してきたとの見方もある。
 昨年合意されたギリシャの第2次支援策では、ユーロ圏諸国などが1300億ユーロ(約13兆円)を融資するかわりに、民間側が債権の元本の50%を自発的に放棄することになっていた。
 交渉が失敗に終われば、欧州連合(EU)などからの融資実行も困難になり、3月に償還期限を迎える140億ユーロ(約1兆4千億円)超のギリシャ国債がデフォルトする可能性がある。

既にギリシャについては織り込み済みの感がありますが、市場では“次のギリシャ探し”が始まり不安の連鎖で、世界経済は恐慌に近づいていくのではないか等と、日常の買い物の時に、野菜が高いだの安いだのとしか経済について会話をしない私ですら漠然と不安を感じています。

ならば、日本はこれからどうなるのでしょう。

実は先日家の整理をしていたら、紙切れになった国債の束が出てきたのです。
10年以上前に実家の整理をしている時に、紙切れになった国債を処分したと思っていたのですが、その一部がまだ残っていたのです。

昭和12年に発行された、紙切れになった国債です。

          

日本がデフォルトを起こしたのは、日露戦争の時と、第二次世界大戦後の「新円切り替え」の時。
何と、2度も経験しているのです。
G7の中で、過去に国債のデフォルトを起こしたのは、イタリア1回、フランス1回、ドイツ1回。
2回は日本だけなのです。

幼いころ、(まだ私が生まれる前の)昭和21年に起きたことを聞いた覚えがあります。

それは、
昭和21年2月16日(日曜日)に金融緊急措置令等が公布され、翌日
昭和21年2月17日、日本政府は金融緊急措置令、預金封鎖・新円切り替え・財産税課税が行われた時のことです。(幼い時に聞いたことがどんなことだったのか、後から調べたことなのですが)

*貯金の支払いは停止並びに封鎖
*新紙幣を発行して旧紙幣と交換
 交換限度は1人100円。交換できる期間は2月25日から3月7日まででそれ以上の旧紙幣は,
  預金として封鎖。古い紙幣は3月2日までしか使えなくなった。
*預金引き出し額の制限
  封鎖預金からの現金引き出しは,1ヶ月につき世帯主300円,家族1人につき100円とする。
*財産税の課税
  財産調査を行い,財産税を課税。
  1946年8月21日の軍事補償打ち切り対策により,原則として3千円を超える部分の旧円預金は   
  支払いを凍結され,最終的には財産税が課税されたそうです。

その課税率がすごいのです。
10万円を超える金額 5%
11万円を超える金額 30%
12万円を超える金額 35%
13万円を超える金額 40%
15万円を超える金額 45%
17万円を超える金額 50%
20万円を超える金額 55%
30万円を超える金額 60%
50万円を超える金額 65%
100万円を超える金額 70%
150万円を超える金額 75%
300万円を超える金額 80%
500万円を超える金額 85%
1500万円を超える金額 90%
今このことを知っても、お金の価値が違っているので、実感できませんが・・・。

昭和21年の出来事は、ある時期から、家族の間でも話題になることはありませんでしたので、実際どのような感じだったのか当時を知っている家族が亡き今知る由もありません。

ギリシャ国債の70%〜80%を外国人が持っていますが、日本は国債の約95〜96%を日本人が持っています。国債の所有構造が大きく違います。日本はデフォルトしなくても、増税で国民から、政府へお金を転移する手段を使う選択肢もあるのです。

昭和21年のように、財産税は設定されなくても、最近では相続税の引き上げ方針が発表されています。

日本破綻本、金融封鎖本がここ数年書店に数多く並びましたが、そこに書かれていたこととは今のところ少々異なり、現在のところ日本円は暴落もしていなくむしろ逆、世界の中央銀行が円建ての日本国債の資産残高を増やしているのは、デフォルトすると思っていないからなのでしょうか。

でも、あした何が起きるかわからな時代。

分かっているのはこれからは 増税 増税 とますます私たちにとっては厳しい時代になることです。

祖父が残した紙切れになった国債が、私に何かを警告しているように思えてなりません。
しばらくは、この紙切れは手元においておこうと思っています。