うれしいひなまつり

ここしばらく 我が家では普通のお雛様は飾らなくなりました。
その代わり、高さ3㎝ほどの可愛い木目込みのお雛様を飾っています。

今年は赤いお盆の上に飾りました。(引っ越し荷物の中の毛氈が取り出せなかったのです。)
赤い毛せんの赤色には大変重要な意味が込められています。古来赤には「魔除け」の意味があり、赤は活力・すべての生命の源をあらわす太陽の色なのです。神社の鳥居、橋の欄干などを赤く塗ったのは災害災難がおきないようにという願いからです。
おひな様の場合は子供が病気や災難に遭わないようにという親の願いからです。

ですので、せめてもと言うことで赤いお盆に飾りました。

小さな雛飾りいつから家にあるのか定かではありませんが、15年前位からは大きなお雛様に変わり毎年、季節を感じさせてくれます。

          

このお雛様、御内裏さま 3人官女と、全て段ごとに箱に入っていて、箱の幾つかに値段のシールがまだ残っています。大丸で売られていたものです。3人官女の箱には¥2.00、5人囃子の箱には¥3.30と有ります。2円と3円30銭の事でしょう。いつごろ購入したのか分かりませんが、2円とか、
銭とか今では想像もつきません。
                         
         
ひな祭りの歌と言えば、「うれしいひなまつり」この歌が思い浮かびますね。

「うれしいひなまつり」は1936年(昭和11年)から歌い継がれている歌です。作詞をしたサトウハチロー氏は昭和10年に娘の為に購入したひな人形を見てこの歌詞を作りました。

当時200円のとても高価なひな人形だったと言われています。(当時高給だった大学の初任給が50円の時代です)お雛様を購入したことが、サトウハチロウーはとても嬉しかったようで、自分でも飾りつけをしたといいます。
当時最初の夫人と離婚し、3人の子ども(うち2人が女の子)を引き取った後でした。実母と別れて寂しい思いをしている子どもたちのために、豪華なひな人形を買ってあげたのです。
電気でぼんぼりに灯りがつく豪華なもので、飾りつけられた雛壇の前で娘達がぼんぼりの灯をつけたり消したりして喜ぶ姿を見て「あかりをつけましょ、ぼんぼりに…」の歌詞が浮かんだといいます。

良い歌ですのに この歌、間違っているところもあるのですよ。

                  歌詞 サトウハチロー
                  作曲 河村光陽

               (1) あかりをつけましょ ぼんぼりに
                  お花をあげましょ 桃の花
                 五人ばやしの 笛太鼓
                 今日はたのしい ひな祭り
               (2) お内裏様と おひな様 
               二人ならんで すまし顔
                 お嫁にいらした ねえさまに
                  よく似た官女の 白い顔
               (3) 金のびょうぶに うつる灯を
                 かすかにゆする 春の風
                 すこし白酒 めされたか
                 赤いお顔の 右大臣
               (4) 着物をきかえて 帯しめて
                 今日はわたしも はれ姿
                  春のやよいの このよき日
                 なによりうれしい ひな祭り
                                   
「おだいりさまとおひなさま 二人並んですまし顔」
「お内裏(だいり)様」と言うのは2人揃ってのことを言うのですがこの歌詞だと男雛が「おだいりさま」、女雛が「おひなさま」のように思えてしまいますね。おかしいでしいでしょう。

この歌を唄う時いつも疑問に思っていたことがあったのですが、2番の歌詞に「お嫁にいらしたねえさまに」とあります。お嫁に行かれたのか、来られたのかどちらなのか、わかりにくい歌詞ですね。
これにはサトウハチロー氏の、姉に対する思いが込められていたという話もあります。嫁ぎ先が決まった矢先に18歳で結核で亡くなった姉を偲んで、書いたという話です。一つの歌の背景にはいろいろ物語がありますね。

                                                   
                        

どのような背景があっても、歌詞に少し間違いがあっても、その時のサトウハチローの、離れいっぱいに飾られた豪華な雛人形の前での家族との喜びのようすが伝わってくる歌です。

この歌は聞く度に、なつかしさと 心浮立つ気持ちにさせてくれます。

さあ今日は久しぶりにちらし寿司でも作りましょうか。

   

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こんなにうれしい曲ですのに・・・・・・・

「うれしいひなまつり」は過去にロス・パンチョスと言うトリオによって「悲しき孤児」と言う曲名でカバーされてメキシコ周辺で大ヒットしました。一部の外国人にはメキシコの曲だと思われているようです。少し寂しげな旋律がそのような曲名になったのでしようか。
日本での楽しい雛祭りのことを教えてあげたいですね。

今日は楽しいひな祭りの日ですので、ご興味があったら明日以降お聞きになってくださいね。