アンティーク ジュエリー
一昨日の印籠から、一転して、アンティークジュエリーのご紹介です。
ブログに書くために印篭の事を調べ直している時に、美術館所有の素晴らしい印籠の写真をみて、その精密な美しさを再確認しました。
精密な美しさには、、西洋アンティークにもミニアチュールと言うものがあります。
絵画、ジュエリーを数点持っていて、精密さつながりで、今回ミニアチュールのジュエリーをご紹介するつもりでおりましたが、調べていくうちに購入した時に説明されたことに少し疑問が出てきました。
ミニアチュールについては 近いうちに又ご紹介する予定です。
と言うことで急遽 はっきりわかっているアンティークジェリーをご紹介いたします。
そうそう今バラが満開ですが、アンティークジュエリーには、よくローズカットのダイヤモンドが使われています。バラつながりと言うことで、ローズカットを使ったジェリーをご紹介します。
このブローチは東京の「シェルマン」と言うアンティークショップで購入したものです。
平凡社 別冊太陽の骨董をたのしむ21 「アンティークジュエリー」54頁で紹介されています。
イギリス 20世紀初期 ダイヤモンド&パールブローチ 縦6.2cm
このブローチに使われているのはローズカットのダイヤモンドです。
ローズカット・ダイヤモンドとは
ダイヤモンドの底部が平で上部を山形にファセットカットを施したしたものです。ダイヤモンドの上部にテーブル(平らな面)がなく、バラのつぼみが開いたように見えるので、ローズカットと言います。16世紀初期から19世紀にかけての人気のカッティングスタイルですが、とくに17世紀中頃オランダで発達しました。1700年代の、英国ジョージ王朝期に上流階級の間で、大流行しました。
ダイヤモンドのカッティングは、概していうと、ポイントカット→テーブルカット→ローズカット
→ブリリアンカットと変遷していきます。
ブリリアンカットが18世紀後半に発明された以降、ローズカットは次第に少なくなり1900年ごろまで用いられてきましたが、今ではほとんど使われません。
ガーランドスタイルとは
ガーランドスタイルは「花綱飾り」や「花手綱模様」と言われる 花と葉とを様式化した連続模様。
このブローチの台はプラチナです。一般的にジュエリーにプラチナが使用されはじめたのは
20世紀初期です。沸点が高いなど加工技術が難しいため、宝飾品として使用されることは
その技術が確立されるまでは、ほとんどありませんでした。
1860年から、ルイ・カルティエ(3代目カルティエ)はプラチナに関する研究をして、いち早くこの金属を採用し、堅牢でありながら、ほとんど目に見えない ほど 繊細なプラチナ製の台座を創造し、ダイヤモンドを際立たせることに成功しました。
ルイ14世(1638年〜1715年)から続くガーランドスタイルを 難しいプラチナ加工で復活させたのは有名ブランド「カルティエ」です。花や葉をつぎ合わせた模様を、プラチナの台に糸ノコギリで引いて精ちな透かし模様を作っていくのですが、その技術は、繊細でデリケートな物でした。伝統のスタイルを新しいプラチナで作るカルティエは凄いですね。
知っているつもりでおりましたが、確認の為に あらためて調べ直すと ローズカット一つ、ガーランドスタイル一つとっても、異なった説明がされています。
アンティークの事を調べるのは、そのようなことも面白いです。
ローズカットのダイヤモンドの輝きは、決してきらびやかな物ではありません。しかも粗削りですが、一つひとつの石をいかした作りが非常に魅力的です。
このガーランドスタイルの何とも言えない繊細な作りのフォルムと共に 時代を経て 益々柔らかい輝きの魅力を増していくことでしょう。