危機遺産から脱出したガラパゴス諸島へ

明日から行くガラパゴス諸島は、1978年世界自然遺産第1号に登録された所です。
         

ダーウィンの進化論で有名なガラパゴス諸島。大陸と隔絶されていることから独自の進化を遂げた固有種が多く、それぞれの島ごとに亜種がいるという興味深い諸島ですが、観光地化された事によって多くの問題が持ち上がり、2007年に「危機遺産」のリストに入ってしまいました。
2010年にようやく危機遺産から回復することが出来ました。

                     

小学生の時に国語の教科書でガラパゴス諸島のことを知り、以来長い事憧れていた島ですので、個人的には自然保護の為に自分が観光することすら罪悪感を持っていました。
ところが皮肉なことに、現在保護施策を支える資金として観光収入が大きく貢献しているそうです。ガラパゴスの入島税は100USドルの支払が義務付けてられています。(12歳未満は 50ドル、2歳以下は免除)税金はガラパゴス諸島の保護と改善の資金へとまわされているそうです。
又2008年より全てのガラパゴス諸島への観光客に対しキト、グヤキール空港で$10の交通規制カードの購入が義務付けされております。

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危機遺産について

世界遺産は登録された後にも、将来にわたって継承していくための保護と管理がなされることも求められます。そのため、その保全状況を6年毎に報告し、世界遺産委員会での再審査を受けなければなりません。

自然災害や紛争、開発、密猟などによって価値を損なう恐れのあるものはユネスコ危機遺産リストに登録されます。

危機遺産になると、毎年、世界遺産委員会で、保護管理の改善状況について、当事国からの報告が求められ、保護管理の改善措置が講じられ、資金援助や国際協力などを受けることができます。危機を脱したと判断されればリストから削除されます。

一方、一向に改善の見込みがない場合には、「世界遺産リスト」そのものから抹消されることになり、当事国にとっては、大変、不名誉なことになります。
これまでの二つの抹消事例として、一つはオマーンの「アラビアン・オリックス保護区」(自然遺産)、もう一つは、ドイツの「ドレスデンエルベ渓谷」(文化遺産)があります。

「アラビアン・オリックス保護区」
アラビアオリックスの保護区は、オマーンの中央部にある自然保護区。丘が連なる砂漠地帯のジダット・アル・ハラシース平原に設定されており、その名の通り、野生種が絶滅したアラビアオリックスを野生に近い状態で保護・育成することを企図した保護区でした。1994年にユネスコ世界遺産に登録されましたが、環境の悪化とオマーン国内での決定に関連して、2007年に世界遺産リストから抹消されました。世界遺産のなかで登録を抹消された物件は、本件が初です。

ドレスデンエルベ渓谷
エルベ川の上流域にあたるドイツ東部に形成された渓谷の一つで、なだらかな谷には都市ドレスデンが発達し、市域は川を挟むかたちでおよそ20kmにわたって続きます。当地はエルベ川沿いの中央ヨーロッパにおける優れた文化的景観を形成しており、その価値は、渓谷が都市の一部であるとともに自然の河岸の一部であることに見出されます。
2004年、世界遺産文化遺産)に登録されたが、2009年6月25日、景観を損ねる橋の建設を理由として、世界遺産リストから削除されました。

もともと世界遺産条約の成立は、水没の危機にさらされたエジプトのヌビア遺跡群の国際的な救済キャンペーンなどが源流となったのですから、その本旨は、危機遺産対策であると言っても過言ではありません。

人類共通の財産である世界遺産を取り巻くあらゆる脅威や危険から守っていく為には、監視活動を強化すると共に、不測の事態にも対応できる危機管理がとても大切だと思います。
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ガラパゴス諸島は 危機遺産から脱したと言っても、私が約55年前に想像していた島とは全く変わってしまったようで とても残念に思います。今はリゾート地のようになっているようです。
ダーウインの進化論ではないですが、大きな時空の中で物事が変化していくのは致し方がない事なのかもしれません。と言いつつ、本来なら観光地にならずに、私などが行く事の出来ない島であってほしかったと思う気持ちもあります。
  
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ともかく半世紀以上にわたり夢見ていたガラパゴス諸島への旅行。
何故か旅行に行く前にとても緊張しています。このような気持ちは初めてです。

それでは行ってまいります。