フィリピンの旅  ボホール島

3日目
ボホール
セブ島から高速船で約2時間。ボホール島は、セブ島の南東に位置する島です。
フィリピン国内でも10番目の規模を誇る島で、面積は4,117平方キロメートル、徳島県の面積と同程度です。
島の半分は石灰岩でできていて、洞窟も多いそうです。
2013年10月15日午前8時20分頃、フィリピンボホール島中部サグバヤン南西4㎞・カルメン附近を震源とするマグニチュード7.2の地震が発生、震源の深さ約19㎞。この地震により多数の建物が倒壊し、建物の下敷きになるなどして198人(うちセブ島で10人)が死亡。
地震の翌月、今度は超大型台風30号がフィリピン中部を襲ったそうですが、ボホール島では台風による被害がほとんどなかったとのこと。島は今でも地震の爪痕が至る所に残っていました。

セブ島から高速船に乗って2時間。
          
ボポール島が近づいてきました。
          
島に着くと沢山のトライシクルが待ち構えていました。熱いのにトライシクルに乗って観光かしらと一瞬不安になりましたが、お迎えのガイド ジンガイさん(女性)が案内してくれた車を見て安心。
冷房が効いた快適な車でした。
               この島は、ジープニーではなくトライシクルが多いそうです。
          
この通りがボホールで一番の街「タグビララン」です。ボホール島ではこの通りに信号が4つあるのみで、あとは信号がないそうです。ガイドのジンガイさんがこの道路は日本のODAによって整備され た、と教えてくれました。島の山の上の方の家にはまだ電気も通っていなそうです。
          
          
          
ロボック川クルーズ
クルーズの拠点となるのは、ボホール島の州都タグビラランから車で約30分行ったところにあるロボック村。
観光ツアー用の屋形船はヤシの木が生い茂る中、約2km上流のブザイ滝までの間を往復します。
ロボック川は川幅も広く穏やかな流れです。
          
          
ジャングルの中を船はゆっくりと進みます。

透き通るようなエメラルドグリーンの川面に吹く風は心地よく、船の中の生演奏と相まって優雅なひと時です。
船にはブッフェスタイルのフィリピン料理が用意されています。
          
          
船が近づくと、現地の女の子達のダンスが始まりました。
          
船は大自然の中を抜けて滝を目指します。ここが折り返し地点です。
          
          
途中、釣りをする地元の人々を見かけたり、元気よく川に飛び込む子供たちに出会ったりと、移り行く風景を眺めていると時が過ぎるのを忘れてしまいます。
          
          
          
          
クルーズの後はチョコレートヒルズに行きます。
途中スコールに会いましたがアッと言う間に止みました。

チョコレートヒル
島のほぼ中心にある「チョコレートヒル」は世界でもボホールだけの奇景です。丘の大部分は石灰岩で出来ていて、貝殻が出土されるので、大昔は海の底だったと考えられますが、海底火山が噴火したのか、干上がった海底が風化したのか、あるいは海底隆起説なども考えられています。しかし、どのようにして出来たかは未だ謎のままです。

ガイドさんは「200万年前のボホール島は浅い海底下にあり、その時にサンゴ礁が発達し、その後の地殻変動で海面の上に隆起した。その石灰岩の層が、波にあらわれ、酸性雨に浸食され、このような奇景が生まれました」と説明して下さいました。

お碗をふせたような円錐形をした不思議な小山が等間隔に、この地域一帯に密集して連なっています。
小山の高さはほぼ40m前後で形もほとんど同じです。世界中でもボホール島でしか見られない奇景だそうです。チョコレートヒルという名は、山肌を覆う芝草が、乾期には一面チョコレート・ブラウンに変わることからつけられたそうです。

チョコレートヒルの展望台
展望台まで階段を登りますが200段以上ある階段は思ったよりきついです。おまけに
フィリピンは今学校が夏休みなので子供たちも多く、歩くのにやっとというほど混雑していました。
展望台からの写真を撮りたかったのですが、混んでいて撮ることが出来ませんでしたが、しっかり目に焼き付けて来ました。
          
お椀を伏せたような小さな丘が約1200個あります。
展望台を降りた所からの写真ですので、奇景のスケールが伝わりにくいかもしれません。
          
          
自然は本当に不思議です。

ターシャ保護区
世界最小級の霊長類といわれる「ターシャ」は体長約10cm。手のひらに乗るほどの大きさで、体重は大人でもわずか100グラム程度、丸くて大きな目が特徴の愛らしい動物です。
          
ガイドさんに、「ここにいますよ。」と言われても、小さくて、木にシッカリとしがみ付いて、木と一体化しているターシャがどこに居るのかよくわかりませんでした。
目が慣れてくると確認することが出来ましたが、本当に小さい。ターシャは生きた虫を食べます。
          
ターシャはストレスに弱く,ストレスがたまると樹木やケージに自らそのやわらかい頭をぶつけて自殺を図ることもあるそうです。
観光客は夜行性のターシャにストレスを与えないようにカメラで撮影する時にはフラッシュをたくことは出来ません。以前は触ることも出来たのですが、今は触ることは出来ません。
愛くるしいと言う人が多いようですが、私はあまりにも小さいターシャは繊細で近づくことも憚られるほど、おまけに大きな目は私には怖い顔に見えました。

セブ島に戻る高速船の出航時間が近づいています。ガイドさんは時間を気にしながらバクラヨン教会に向かいます。

バクラヨン教会
1595年イエズス会によってに建造されたフィリピン最古級の石造教会だそう。
地震で至る所が破壊されています。

この当時はコンクリートはなかったので、この教会の壁も卵の白身と珊瑚で作ったそうです。
          
          
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壁の一部に彫りの深い鼻ひげのある顔のように見えるところがあります。
この顔はこの教会の最初(1595年〜)の神父さまにそっくりで、いつの間にか自然とここに顔が浮かび上がってきたそうです。
フィリピン人は「神父様が今でも私たちを見守ってくれてる」と信じているそうです。
教会内部
            
血盟記念碑
このすぐ近くに血盟記念碑があるのですが、見学することは出来ませんでした。
                    
乗船時間が迫っていた為見ること出来なかった血盟記念碑↓一寸心残り(写真はガイドブックより)  
          
血盟記念碑
フィリピンを統治し、初代総督となったスペインのレガスピの艦隊は、セブ同様ボホールにも寄航しました。
今から約500 年前の1565 年3 月16 日、マゼランのセブ島上陸から44 年後のことです。
ボホール島の酋長シカツナとレガスピは、腕をナイフで傷つけ、ワインに血を杯に入れ、互いに飲み干すことで友好を誓い合ったといいます。
でもこれ実際には、スペインによる支配を受け入れた形になるのですね。
このようにフィリピンはスペインの植民地になり、その後アメリカの植民地に、そして1942年から約3年間日本軍に占領されていました。
豊かな自然に恵まれ、のんびりした島に思えるボフォール島もこのような重い歴史があります。

現在のボホール島は個人農家が多く、特別な産業がほとんどありません。フィリピンの中でも特に開発が遅れた島で、貧しい島とも言われています。

豊かな自然に恵まれた島ともお別れ。高速船でセブ島に戻ります。

夕食はフィリピン料理