終活ツアー  最近の供養のかたちを見学

昨日<最新の5つの供養・お墓を見学>のツアーに行って来ました。

参加者は30数人。天候に恵まれた気持ちの良い一日。
皆にこにこしながら和気あいあいとした楽しい終活ツアーでした。

樹木葬
先ず初めの見学場所は、新宿からバスで約1時間。
広大な自然に恵まれた都立小平霊園の一角にある樹木葬の見学。
2012年に都立霊園初の樹林墓地(樹木葬)の募集をした小平霊園には、応募が殺到し、募集倍率が16.3倍になりました。
2012年の募集 合計500体
2013年の募集 合計1600体

初年度はの樹林墓地全体の倍率は16.3倍でしたが、遺骨の「ある・無し」で応募区分が別れており、それぞれ大きく倍率に違いがあり、遺骨を保有している方の倍率は4.9倍、保有していない生前申し込みの方の倍率は21.7倍でした。
          
樹林型合葬埋蔵施設と樹木型合葬埋蔵施設があります。

樹木型は個人で埋葬されますが、個人と言っても墓標がない為、一度埋葬すると取り出したくても、埋葬した場所が分からなくなってしまいます。
          
樹林型は合葬埋蔵で、真ん中の四角に見えるところからお骨を入れます。 
          
実はすでに、詳しいパンフレットを取り寄せていたので、おおよその事は把握していたのですが、見学してみると想像していたよりも狭く、既にこの場所に2012年の募集 合計500体、2013年の募集 合計1600体、2014年と合計で2000体以上が埋葬、あるいは予約済み、そして、今後も毎年数が増えると、実際凄く狭い空間です。お骨は細かく砕いて、自然に戻る形で埋葬するので心配はないのでしょうが、想像以上に狭いと言うのが感想です。それに、都心から少々遠い。
          
次の見学場所は、小平霊園から比較的近い民間霊園のガーデニング霊園とその一角にある樹木墓と合葬墓
          
とてもコンパクトで個性的な墓石が並んでいます。
          
その一角に並ぶ樹木葬のお墓  
写真下の方 縦4列、横(数えてきませんでした)プレートに名前が書いてあります。
こちらの樹木墓は名前の順番に埋葬されているので、場所が確認できます。
          
このステンレスの筒の中にお骨を砕いて入れ、埋葬します。
          
私が初めに思い浮かべた樹木葬は、自然の中に、自分の好きな木を植え(私はミモザの木)その下に名前と好きな言葉を書いた小さな墓標を作り、安らかに眠りいずれは自然に帰ることを漠然と思い浮かべていました。
実際そのような所もあるでしょうし、今後出来るかもしれませんが、今日見学したものは、想像しているものとは異なっていました。

赤坂浄苑
次に都心に戻り、赤坂浄苑の見学。赤坂見付の駅から徒歩2分。ビルの立ち並ぶ都心の真ん中にある最新式のお墓。お墓と説明されましたが納骨堂と感じました。

一歩赤坂浄苑のビルの中に入ると、とても静寂な雰囲気です、

参拝スペースにある、カードリーダーにカードをかざすと1分ほどで「○○家」と刻まれた墓石が現れます。この墓石の裏に、骨つぼが納められています。

プライベートな参拝空間があり、ビルの中でのお参りとは思えないほどの厳かな雰囲気、古来からのお墓参りをしている感覚と変わらないものを感じました。
          
          
                    http://www.akasaka-jouen.com/
赤坂うまやでのランチ
歌舞伎の3代目市川猿之助の稽古場の1階2階にあり、市川猿之助さんがプロデュースしていたということで知られてるお店。その佇まいが素敵で一度行きたいと思っていたお店でした。
今回ツアーを選んだのは、お昼をここで頂けると言う事も大きな理由でした。

赤坂浄苑の隣で、こちらのお料理は法事の時などに、赤坂浄苑に運んで頂けるようです。

お味というより、建物に興味があって来てみたいと思っていたのですが、私の好きな九州産の材料を使っていたので感激。久しぶりに九州の「うちの卵」もいただきました。
          
                              楽屋めし
          
昼食の後は海洋散骨の疑似体験
海洋散骨
今回の参加者の半数がこの海洋散骨に興味がある方でした。
散骨希望の理由は 波に乗って世界中を旅する雰囲気、海が好きだから、何も残らないのが良いと様々。
私は泳げないから海に散骨してもらっても漂えそうもない・・・・と言ったら大笑いされました。

今回だけでなく、海洋散骨は参加者の関心が毎回非常に高いそうです。
          

船で東京湾沖まで出てお花をまいた後、溶ける紙に粉骨したお骨をいくつかに分けたものを海に戻します。疑似体験では塩を紙に包んでまきました。ベルを鳴らし、散骨した付近を数度まわり汽笛を鳴らします。

実際に散骨する時も、許可はされているものの、周囲の船や釣りをしている方達への配慮から、喪服などは着用しないで散骨するそうです。
          
こうして5つの新しい供養の形を見学しました。

見学したどの形の供養も、共通して言えるのは、残された子供たちに迷惑を掛けたくないと言う理由から生きているうちに自分の意志で決めておくと言う強い愛情からの決断。
そして、それを決断しながらもなお、残された人が、例えば散骨であったら、何もなくなってしまったことを悲しまないかしらと心配しているのです。私が小平霊園の樹木葬で感じたことも、どこに埋まっているのか分からなくなってしまうと、あとに残された人が戸惑わないかと言う不安と同じなのです。

家族構成が変わって いく中、お墓をめぐる環境は大きく変わってきています。

実際私も、今あるお墓に入っても、家族構成や環境の変化で法要などが出来にくいこと。
ニューヨークに住んでいる一人娘に負担を掛けたくない事を考えると新しい供養の形を生きているうちに選択しておかなければなりません。

今回終活カウンセラーが同行して下さったので為になるお話もいろいろ伺うことが出来ました。
又楽しみながら終活をする同年代の参加者の方々とお話しすることが出来たのもとても良い経験でした。

実は樹木葬に興味があった私ですが、今回のツアーに参加して、最新式のお墓のような納骨堂にとても興味を持ち始めました。年間使用費は一括しておけば残された人に負担をかけずに済むし何十年か後に土に戻していただくシステムはまだまだお墓に関し保守的な考えにとらわれている私にとっては最良の方法だと思い始めております。・・・・が 心の奥底には今ある由緒ある豪徳寺と比べてしまうと、どれも100パーセントで受け入れることが出きず、むしろ全く違う斬新なものなら受け入れられるのかも知れないと言う気持ちが働いているのかもしれません。
もっとも日本で今一般的に考えられているお墓の歴史は古くからあったものではありません。

一日だけの体験で気持が変化するうちはまだまだ決断できそうもありません。


余談
終活とは「終末活動」の略
人生の終末を迎えるにあたり、延命治療や介護、葬儀、相続などについての希望をまとめ、準備を整えること。(2009)に「週刊朝日」で連載された「現代終活事情」により広く知られるようになり、終活と付く記事が載ると、本の売り上げが伸びるそうです。

今回初めて知ったのですが、終活カウンセラー協会なるものがあり、資格試験制度、試験を受ける講座があるそうです。時代を読み、いち早く協会を作りビジネスにするなんて抜け目ない(いやいや素晴らしいな)と感心しながら、今後増えるであろう終活ビジネスを想像していました。

1991年に「墓埋法」の解釈に関して、管轄である厚生省は「墓埋法は遺灰を海や山に撒く葬法は想定しておらず法の対象外である。」と いう旨の見解を発表し、法務省も刑法190条について「葬送のための祭祀として節度をもって行われる限り遺骨遺棄罪に該当しない。」という旨の見解を発表 しました。ですので、日本では海洋散骨をするには特別な資格は必要ではないようです。粉骨も自分で行うことが出来ます。

そして今まで何回か行ったことのある東京都の火葬場
全て都が行っているものと思っていましたが、都営とそうでないものがあり、行ったことのあるところは全て民間が行っているものでした。一昨年、終活の一環として自分の葬儀の打ち合わせを、日比谷花壇さんとした折りに
火葬場の希望を伝えた時も、民営とは知らず都のやっているものの中で選べることが出来るのかと思い希望を伝えたものの、昨日までそこが民間で行っているものとは知りませんでした。
知らずに、法律で決まっているものと思い込んで、あるいは思い込まされていて、選択の幅を少なくしていることが多々あるのですね。