ほっと一息 ティータイム

同じお茶をいただくのでも、アンティークのカップで頂くと 時がゆっくり流れるように感じます。
普段コーヒー、紅茶を頂く時は西洋アンティークを使うのですが、1月はずっとお正月気分が抜けきらず、「日本的」を意識してか、日本製のアンティーカップを使用していました。

このセットは英国輸出向けに作られた1911年頃〜1941年頃の (明治45年〜昭和16年
オールドノリタケ製です。       裏印 マルキ印(日本登録) 登録人:森村開作氏
          
小振りのティーカップに見えますが 見た目よりたっぷり入ります。
ベージュに近い淡いピンクのなめらかな地肌がとても素敵で、そこに藍色で日本画のような繊細なタッチで鳥と草木の絵付けがしてあります。鳥は鶴ではなく鴨です。

フォークは柄がボーンで出来ているイギリスのアンティーク。
スプーンもこのカップとほぼ同じ時代にイギリスで作られた銀製のものです。
作られた国は異なっていても、同じ時代に作られたものは不思議にぴったりと合います。

ボーンチャイナと柄がボーンで出来ているフォークの優しい色合いの相性はしっくりして、
見ているだけで穏やかな気持ちになります。

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オールドノリタケの裏印
オールド・ノリタケの最大の特徴のひとつは、様々な裏印です。

          
今日ご紹介したカップのセットは裏にマルキと呼ばれる印があります。これは英国輸出向けに作られたオールドノリタケの印です。
考え方や生活の違う外国人と商売する上で、困難に直面しても槍で打ち破り、乗り越えて行こうと言う決意を表現している物で、(困と言う漢字を槍先で尖らせている)
さらに、全て円満に行くようにと漢字の四角の渕を丸くしたと伝えられているそうです。

戦争が裏印を消したことも
ペアーものの場合は一方だけに裏印をつけ、他方はノーマークで出荷したため裏印がないものも
あります。しかし他の理由で裏印がないものもあります。
第二次世界大戦中 反日感情を持っている国にとってノリタケの裏印はまさに日本の烙印。
その裏印を削って保存に努めてくれたアメリカ人コレクターもいました、この場合は裏印が削り取られた痕跡が見えます。戦争はこんなところにも影を落としているのですね。

裏印一つにもいろいろな歴史があり、それを調べるのも楽しみの一つです。
          
コーヒーカップセット13点(カップ&ソーサー5セット ポット ミルク入れ シュガー入れ)で購入。