色々な形の小皿

昨日大掃除をした折に、小皿も分類別に整理しました。
変形小皿も沢山出てきました。
その形の面白さ        ついつい仕事の手も止まり・・・・・・・・・・・眺めてしまいます。

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日本では縄文時代から小皿が使われていました。
時を経て 小さなお膳の上に1人分の食事の用意がされるようになると、小さな器をその上に置くようになりました。器のデザインに変化を待たせ、様々な形や模様や肌合いの器を組み合わせ、楽しむようになりました。変形小皿はそういった背景から生まれたのでしょうね。

          


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水墨山水画の典型的な画題の山と河、舟が行き交かい雁が列をなす、その雄大な景色を写し取ったモチーフの器も沢山つくられました。

白磁富士山形皿
7.8㎝ 18世紀後半〜19世紀前半
はじめは 蛤の形だと思いましたが、よく見ると富士山です。山そのものを器の形にする、陶工たちの遊び心が伝わります。

          
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日本では扇を古くから「末広」と呼び、その形を写した扇面形は、将来の繁栄を想像させるおめでたい形として用いられてきました。

扇面形皿
長径11.8㎝ 18世紀
これは香川源内焼の型物です。ここの焼き物は殆どが黄色と緑の組み合わせです。桜が陽刻されています。さっくりした焼き物で壊れやすいのが難点です。

          

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花のモチーフも多く使われますが、最も好んで使われるのが、梅,菊です。このお皿は珍しい朝顔です。

色絵朝顔形皿
幕末〜明治時代 長径6.7㎝
幕末に三田焼の技術を継承した篠山藩の王地山で焼かれた型物。磁胎に透明感があり、色鮮やかな小皿です。

夏にこの器が置かれたら 嬉しいですね。

          

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野菜には面白い形をしているものもあり創作力を沸きたたせます。立体的な容器や置物を作るのには適していますが、食べ物を盛るためお皿用の器にすることは工夫が要ります。お皿の裏まで使い小さな作品にした昔の人の遊び心は素晴らしい。

色絵花文茄子形皿
江戸時代 長径8.2㎝
丸茄子でしょうか、枝を輪にして表しています。

          

このような小さいお皿ですが、裏のヘタの絵まできっちり上手にかかれています。

          

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お皿の基本的な形は円形ですが、それに次ぐ輪花は円形の一種です。一方その対照的に角形のお皿があります。何故対照的と言うと、円形は轆轤をひいて造りますが、角形は轆轤は使いません。

色絵六角皿
江戸時代 径9㎝
庭園の中に唐子がいます。家にはこのお皿が10枚ありますが、手書きなので各々少しずつ絵が異なる面白さがあります。淵の内側には 赤玉 口縁の厚みには雷文。王地産焼。

          
                    
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幼い頃、私はおままごと遊びには興味が無く、木登り等に夢中になっておりましたのに、
大人になっておままごとのように食卓に小皿を並べ遊んでいる姿 誰が想像したでしょう。

家には多くの小皿、豆皿があります。その全てを使うことは無理かもしれません。

せめて娘に私のわかる範囲で謂れなどを伝えてあげられたらと思っています。