東日本大震災    あれから一年

「子を連れて西へ西へと逃げてゆく愚かな母と言うならば言え」

原発事故後仙台からお子さんを連れて沖縄へ避難している 歌人 俵万智さんの歌です。

この歌を知ったとき涙が出てきました。

地震津波福島第一原発爆発と言う日本がはじまって以来の最悪な事態に陥った現実。

原発を取り巻く社会。

何かに制御されている恐ろしい社会構造を改めて実感した1年でした。

その何かに制御されている社会構造が、制御出来ない原発を推進し、これからも制御不能原発を再稼働させようとしている。

先週こんなことを若い女性から聞きました。
小さい子供がいる東京の友人が、「私の子供 将来ゴジラになるのではないかと思う。心配していてもどうすることも出来ないし、皆と一緒の行動をしなくてはならないし、母親同士で放射能の事を話すことも出来ない、考えないようにしているのよ」と言っていた。
ゴジラ?不思議なことを言うなと思ったのです。若い人が映画「ゴジラ」のことを知っていることも不思議でした。その若いお母さんはせめて「子供が将放射能の影響で病気になることを心配している」と口に出すよりもゴジラと言った方が安心だったのかもしれないと複雑な気持ちでその言葉を聞きました。

映画「ゴジラ
1954年11月3日、同年3月1日にビキニ島の核実験によって起きた第五福竜丸事件をきっかけに製作された、第1作“水爆大怪獣映画”『ゴジラ』。身長50メートルの怪獣ゴジラは人間にとっての恐怖の対象であると同時に、「核の落とし子」「人間が生み出した恐怖の象徴」として描かれた。また核兵器という人間が生み出したものによって現れた怪獣が、人間の手で葬られるという人間の身勝手さを表現した作品となった。

東京ですら、口には出さなくても小さいお子さんを育てている方、これから子供を出産しようと思っている方は不安を抱えて過ごしています。

福島第一原発近くの人たちはどんな気持ちで生活しているのでしょうか。マスクをして不自由な毎日と自分の健康を心配しながら学校に通っている子供達。

下請けの原発作業員は、今 防御服すら節約するような方向で働かされているようです。

今まで日本は世界一素晴らしい国と思っていたのですが、今はそう思えなくなりました。

昨年の3月11日を境にして、悲しみと絶望 不安 それを口に出して言うことも出来にくい居心地の悪い日本を感じています。

連日のように、近いうちに東京直下地震震度7で起こる、それに備えてと、自然災害のことは嫌と言うほど報道されています。津波、火災、建物の倒壊、それこそパニックになりそうなほどシミュレーション映像で報道されます。しかし、肝心な地震が起きたら原発がどうなるかなどとは殆ど、いや今では全くに近いほど報道されません。

何故なのでしょう。

そればかりか、最近政府は再稼働の方向に向かいはじめました。

狂っているとしか私には思えません。

原発マネーに頼らなければ成り立たない地域。今 原発がなくなれば、交付金も入らず
雇用もどうなるかわからない状況にされて生きてきた地域。その人達の生活を考えると
原発はなくせと言いにくいのかもしれないけれど、今回のような状況になれば、今まで築いてきた生活はおろか、命さえ保障されないのです。

私は原発は絶対に反対です。声を大きく、だれに聞かれても、どんな場所でも絶対反対と言います。

毎日数回福島第一原発ライブカメラを見ています。毎日放射線量の推移を確かめています。

収束なんてまったくのデタラメ。

今福岡に住んでいますが、玄海原発も非常に危険で、いつ壊れても不思議ではありません。

次に国内のどこかの原発が破壊された時、日本は終了だと思っています。