桜坂 歴史散歩

福岡城、金印、と黒田藩つながりのブログになっておりますが、今日も黒田藩つながりになりました。

いつも散歩する範囲内に桜坂と言う場所があります。桜坂は福岡城に近いこともあって、元上級武士の屋敷地が多かったようです。現在もその名残があり素晴らしい街並みは健在で、どんなに歩いても飽きることがありません。

昨日は小雨の降る中いつもより少し足を延ばし、桜坂の2丁目まで歩いてみました。

大きな邸宅の玄関前の端に加藤司書公屋敷跡の碑がひっそりと建っていました。

加藤司書は勤王の志の篤い志士ですが、黒田五十二万石という大藩の家老職です。志賀島にある松林の伐採権なども持っていたそうです。

                        
           
●加藤司書
先祖代々の重臣の家に生まれ、11歳の時に11代目2800石の家を継ぎ、1853年(嘉永6年)7月、エフィム・プチャーチンが長崎に来航した際、500人を率いて長崎沿岸の警護にあたる。また長州征伐が起こった時には、藩主黒田長溥の命を受け、幕府軍の本営があった広島まで赴き総督徳川慶勝に謁見。日本人同士の内戦をやめるよう進言している。結果、国司信濃福原越後ら三家老の切腹で決着することとなった。またこの時長州にいた三条実美ら7卿を大宰府天満宮へ迎え、勤王派領袖の一人として全盛期を送っていた。ところが乙丑の変で罪をうけ、罷免されて幽閉、のち切腹。享年36歳。(Wikipediaより)
 

少し歩くと桜ケ峯神社がありました。神社周辺は、江戸時代には大鋸ノ谷と言われていたそうです。
桜ケ峯神社 
    
          
この神社の由来は江戸幕府9代将軍・徳川家重の時代に作られた「桜峯地蔵記」が絵巻文献として現存していて そこから知ることができます。記録によれば「那珂郡大鋸谷、桜嶺に石蔵の石像あり」。昔、欽明天皇(在位539年〜571年)の時代に、夜「光を発する石像あり。之を祈願すれば
必ず御利益あり」というので、土地の人は「荒具神社」として奉祀したそうです。承応元年(1652年)には、福岡藩2代藩主・黒田忠之が同地で鷹狩をしたとき、霊験顕著なのに驚いて社殿を改築したそうです。 当時ここ周辺が鷹狩りの場所であったことを想像してみました。色々想像をめぐらしながら歩くのはとても楽しい事です。

          
     
今はとても小さな神社で面影もありませんが、当時は大規模な神社だったようです。また、当時ここは修験道場として栄えたようです。

駅を挟んで自宅方向に戻る桜坂3丁目に向かいました。
今回は一度行きたいと思っていたさ金刀比羅神社を探しながら歩きました。
なにやら起伏の激しい場所。江戸時代の山の麓には、下級武士の居留区が広がっていたそう周辺にはたくさんの谷があり、それぞれに名前がついていたようですが、今では「谷」「御所ヶ谷」の二つの地名が残っています。御所ヶ谷の坂の途中に金刀比羅神社がありました。

金刀比羅神社            
この神社、香川県にある金刀比羅宮の福岡市唯一のこんぴらさん分社なのです。この地にはもともと海上交通の安全を守る神様がいらっしゃったのですが、黒田藩主が朝鮮出兵の折に水軍の守り神として祈念したのをはじまりに、霊験あらたかな神社をとても大切にされ,その後金毘羅さんから分霊されたのです。

          

          

海の神様に相応しく赤さびたイカリも境内にも祀られていました。

          

          

この鳥居の門前には南福寺と言うお寺があり、以前四国を一周した時に、香川県金刀比羅神社を訪れた時に次のことを調べていたことを思い出しました。 

          

金刀比羅宮の由緒については二つの説がある。一つは、大物主命が象頭山に行宮を営んだ
跡を祭った琴平神社から始まり、中世以降に本地垂迹説により仏教の金毘羅と習合して金毘羅大権現と称したとするものである。もう一つは、もともと象頭山にあった真言宗の松尾寺に金毘羅が鎮守神として祀られており、大宝年間に修験道役小角神変大菩薩)が象頭山に登った際に天竺毘比羅霊鷲山象頭山)に住する護法善神金毘羅の神験に遭ったのが開山の縁起との伝承からこれが金毘羅大権現になったとする。いずれにせよ神仏習合の寺社であった。
                                            Wikipediaより

もしかしたら、ここはそのようなことからお寺と 神社が一緒になっているのかしらと思い、金刀比羅様との関係を南福寺のお寺の奥様にお伺いしたところ、金刀比羅神社とはまったく関係がなく、(宗旨は) 高野山真言宗だとお話してくださいました。お寺と神社が同じ敷地にあるようにさえ思えたのと、真言宗という不思議な偶然を感じました。
(家に帰り調べたところ南福寺は昭和21年創建という新しいお寺様でした。)

花を楽しむ散歩も良いですが、神社やお寺に立ち寄って見る散歩も又楽しいものです。