松風園

家の窓からは 溢れる新緑が見えます。気持ちの良い季節です。

昨日は少し散歩コースを変え、家から5分の所にある松風園に行って見ました。
福岡玉屋のオーナーであった田中丸善八邸宅跡を、福岡市が引継ぎ改装、2007年に開園した
純和風庭園を有する茶室 松風園。知人のお宅を訪問するような感じで門をくぐりました。 

          

 
この先にどんな景色が広がるのかワクワクしながら階段を登ります。

          

野点広場
入ってすぐに目の前に広がる野点広場。真ん中の大きな岩は富士山を表しています。5つの岩は富士五湖。芝生は駿河湾を表しているそうです。

          
          

大きく広がった1本の木のように見える2本のイロハモミジ。みずみずしい若草色の葉をつけて
います。圧巻です。

          

モミジの木を見上げると茶室の屋根の上に獅子の形の獅子頭と呼ばれている鬼瓦が顔を覗かせています。高取焼八代窯13 代高取八仙の作だそうです。守り神の厄を担っています。
でも何だか可愛いお顔ですね。

          

三葉の松
松風園の中に三葉の松が3本生えているということでしたが、松が沢山植えてあるので、どの松が三葉の松なのか分かりません。係りの方に伺いましたら案内して下さり、普通松の葉は2つに分かれているが、3つに分かれているものは珍しくて縁起が良いからと、葉を取って下さいました。

                    


飛び石が美しく配置されていますが、単なる飾りではありません。歩く道しるべにもなりますし石の距離が近いものはあえて人と人がすれ違えるように配置されているのです。石と石の距離は着物を着ている人の歩幅に合わせて配置されています。

          

この垣は京都鷹ヶ峰の光悦寺にある垣で、光悦垣と呼ばれています。垣とは屋敷や庭の内外を限る囲いとして設けられています。

          

松風園には3つの灯籠があります。
        春日灯篭             織部灯篭             棗灯篭
               

織部灯篭
良く見ると下の方にな像が彫ってあります。杉苔の露地に設置されているのが織部灯篭です。この彫りは聖母マリアと言われています。本来は埋まっていて見えないのですがカクレキリシタンが拝んでいたと言われていてキリシタン灯篭と呼ぶこともあるそうです。
          

棗灯篭
東屋の近くに柵を挟んで設置されている灯篭を良く見ると、お茶で使われるお道具が彫られています。おそらく日本で一つしかないものだと言われています。
          

次は室内の見学です。廊下にある立ちつくばい 室内の「つくばい」の設置は珍しいようです。

          

松風庵(4畳枡床) 
京都から資材や職人が集められ作られた本格的な茶室です。松風とは茶の湯で釜の煮え立つ音の事です。

          

躙り口 
体を縮めて入らなくてはいけない事から、身分を平等にするという意味があります。
          

貴人口 
大きな入口は頭を下げる程度で出入りできる大きさです。身分の高い客人の為のものです。
茶室には貴人口が無い所もあり、理由は「利休の茶室の中は皆平等なので必要がない」との考えらからです。
          

待合
茶室に呼ばれる迄待ったり、再び席入りするまでに使う休憩所のような場所です。
                        茶室から眺める
          

広間(10畳)
十畳の広間の床の間には、「飾りある兜かがやく系図守り」という季節の掛け軸と兜が飾られていました。
          

他に8畳の和室が2間あります。(茶室を含め、茶事の研修会などにお借りできるようです。)

再びお庭を歩いてみました。

          
           
東屋
道の途中に東屋がありました。座ってみると奥行きがとても広くなっています.侍の刀や着物の帯がつぶれないような配慮からだそうです。
          
          

この様な石が置いてあったら・・・・・茶道の作法で「これより中に入ることは遠慮されたし」の意味があります。看板などに書くよりも、風情がありますね。
        蕨縄やシュロ縄で十文字に結んである小石  関守石(せきもりいし)と言います。

                      

ほんの1時間程の見学でしたが、異空間に迷い込んだような素晴らしい時を過ごす事が出来ました。 「イロハモミジ」の若草色の瑞々しさをを体いっぱいに吸い込んで来ました。

松風園はお茶会の他に,室礼講座も開かれているそうです。

休園日 毎週火曜日(火曜日が祝祭日の時はその翌日)入園料100円 利用時間9:00〜5:00