福岡市博物館

福岡市博物館で開催されている「幽霊・妖怪画大全集」に行って来ました。

初めて訪れる福岡市博物館は素敵な場所に位置しています。福岡タワー、ヤフードームそして海にも近いのです。
          

この「幽霊・妖怪画大全集」では、京都出身の日本画家で著名な風俗研究家でもあった吉川観方氏(1894〜1978)が生涯をかけて収集し、現在は福岡市博物館が収蔵する日本の幽霊・妖怪画の名品を紹介しています。円山応挙が描いたと伝えられる美しい「幽霊図」や微笑ましい図柄の(伊藤若冲)「付喪神図」、日本中の妖怪を集めた「百怪図巻」、そして歌川国芳月岡芳年らが描いた怪異なテーマの浮世絵版画など、約160点が公開されています。これらの絵を収集された吉川観方氏が描いた「朝霧・夕霧」と言う幽霊画も展示されていました。

          

幽霊画は洋の東西を見渡しても、日本独特の絵画だといえるそうです。なぜ幽霊などというものを描くのか、そして 掛け軸などにして飾るのか、私は今でもとても疑問に思って居ります。

亡き人への断ちがたい想いや鎮魂の意味、そして一説には江戸時代の幽霊画は、魔を持って魔を制すると言う考えから、主人の留守の間に床の間に幽霊画を飾り、家財を暴漢から守ろうとしたとも伝えられています。

日本の文化・風俗の中には古くから 幽霊というものがありました。
私たちが思い浮かべる足のないおどろおどろしい姿の幽霊は、江戸時代中期、円山応挙という絵師が描いた幽霊画が始まりとされています。実際にはもう少し古くからあったようですが、応挙の技量、表現力、知名度とが人々の心をひきつけ、円山派の弟子を中心に、多くの絵師が応挙スタイルの幽霊画を描き、足のない幽霊が定番となりました。

始めに応挙の「波上白骨座禅図」がお出迎え。
                         
                             
次に長沢廬雪が描いた、「九相図。美女が病に伏し、その横には遺体が徐々に朽ち果てる朽ち果てる様子がリアルに描かれている絵が展示されていました。とても考えさせられる絵でした。

応挙の描いた美しい幽霊、渓斉英泉の描いた恐ろしい幽霊図など 幽霊の絵にも色々あります。お岩さん、お菊さんの絵も多く展示されていました。
 
                        「幽霊図」丸山応挙
          

直筆の幽霊画の他にも、浮世絵の幽霊も沢山展示されていました。
その他、幕末〜明治の人気絵師月岡芳年が描いた日本及び中国の怪奇談と英雄にまつわる逸話を題材とした「和漢百物語(わかんひゃくものがたり)」が展示されていてとても見ごたえがありました。
          

妖怪画も面白く観ることが出来ました。福岡で描かれたと言われている妖怪図も展示されていて
お子様方も楽しんでおられました。

それにしても見ごたえのある展示でした。

な、なんと!展示室の順路の最後に人気投票所が設置されていて、展示されていた妖怪(YOKAI)や幽霊からナンバーワンを選ぶ「YKI48(ワイケーアイフォーティエイト)総選挙」が開催されていました。面白いですね。

なお、この企画展は9月2日迄です。
(撮影は禁止でしたので、画像は福岡市博物館の企画展サイトとパンフレットからの引用です。)

              

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展示室を出て売店で売られている本を見ておりましたら、幽霊名画集に曾祖父の描いた「怪談牡丹燈籠図」と「数珠を持つ幽霊」が掲載されていました。数珠を持つ幽霊は初めて見る絵でした。
この様なところで曾祖父の幽霊に会えるとは思ってもいませんでした。
                       
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