筥崎宮の放生会

秋祭りのシーズンがやってきました。

福岡では、 9月12日〜9月18日の期間、博多三大祭のひとつの筥崎宮放生会(ほうじょうや)が行われています。

1000年以上も続くと言われている筥崎宮放生会は『万物の生命を慈しみ殺生を戒める』神事です。

昨日 行ってまいりました。

1キロにも及ぶ参道に、約700件もの露店がズラリと並んでいます。
放生会ならではの、濃い緑の葉がついた新しょうがの出店もあります。

期間中150万人の参拝者で夜遅くまで賑わうそうです。昨日はとても暑く、平日の昼間と言うこともありゆっくり参拝することが出来ました。

          

一昨日の報道ではこのような混み具合↓    夜はもっと混むそうです。
          
        
大鳥居を入り、出店の続く参道を、二の鳥居、一の鳥居を進むとこの日のイベント「大道芸」が行われていました。

大道芸では猿回し、昔懐かしいバナナのたたき売り等が披露されます。
私は猿回しを少し見ただけでしたが、バナナの叩き売りって懐かしいですね。

バナナのたたき売りは、かつて八百屋、露天商、的屋が行う、独特の口上を述べながら客引き寄せてバナナを露天で売る手法として有名ですが、大正時代初期に福岡県北九州市門司区門司港周辺で行われたのが元祖だそうです。知らなかった!

          

大道芸の先には楼門。

楼門の「敵国降伏」と少々穏やかならぬ扁額にドキッ!

筥崎宮は筥崎八幡宮とも称し、石清水八幡宮宇佐八幡宮とともに日本三大八幡宮に数えられます。ご祭神は応神天皇(第十五代天皇)として神功皇后応神天皇の母君)、玉依姫命(たまよりひめのみこと ・海の神・神武天皇の母君)をお祀りしています

創建の時期については諸説ありますが、平安時代の中頃である延喜21年(921年)醍醐天皇が神勅により「敵国降伏」の宸筆(しんぴつ)を下賜され、延長元年(923年)御社殿を建立されたのが始まりとされています。創建後は祈りの場として朝野を問わず篤い崇を集めるとともに、海外との交流の門戸として重要な役割を果たしました。

敵国降伏の宸筆とは
敵国降伏の御宸筆は本宮に伝存する第一の神宝であり紺紙に金泥で鮮やかに書かれています。縦横約18センチで全部で三十七葉あります。社記には醍醐天皇の御宸筆と伝わり、以後の天皇も納めれられた記録があります。

特に文永11年(西暦1274)蒙古襲来により炎上した社殿の再興にあたり亀山上皇が納められた事跡は有名だそうです。
楼門高く掲げられている額の文字は文禄年間、筑前領主小早川隆景が楼門を造営した時、これを謹写拡大したものです。
          


「敵国降伏」の意味

筥崎宮の「敵国降伏」とは、武力をもって相手を降伏させる『覇道』ではなく
徳の力で導き、相手自らなびき降伏させる『王道』というわが国のあり方を説いているそうです
当時の日本人は他国からの侵略という国難に対して「敵国降伏」の精神で立ち向かったそうです。

それを知って何だか少し安心しました。
ドキッ!とした後にホッ!  その後しばらくしてから、本当なのかしら???

最近の尖閣諸島等の出来事を見ていると何だか考えさせられます。
       
          


筥崎宮放生会の縁起物と言えば・・『博多ちゃんぽん』と『おはじき』、それから地元で採れた
『新生姜』なのです。

本殿の裏側ではこれまでのおはじきや、ちゃんぽんが展示されていました。

放生会チャンポン
軽くふくと「チャン」「ポン」!と音がします。一般的には「ビードロ」として知られるガラスのオモチャです。息を吹き込むと、ペコンっと音がします。売られているチャンポンの仕上げの絵付は全て巫女さんが手作業で行なっているそうです。

展示されている放生会チャンポンは、著名人の絵付けが施されているものでした。
          

放生会おはじき  
おはじきと言えばガラスで出来た小さくてカラフルな物を思い浮かべますが、古くは粘土で型を作り、素焼きをした粗末な物で、泥はじきとか泥めんこ等と言っていたそうです。

放生会おはじきは、博多人形師の集まりにより、毎年テーマを設けて奉制されているそうです。

今年のテーマは昔々のお話。大きさ直径2cmほどの土製で、初日の朝早くならばなければ手に入れることは難しいほどの人気ぶりです。 悪災を「はじく」意味が込められていて、おもちゃとしてだけでなく、厄除けのお守りとして珍重されています。一箱27個入りで3000円。限定1,200個です。

展示されていたおかげで,放生会おはじきがどのような物か目にすることが出来ました。   
          

          

パワースポット 湧出石
古くは地面から露出した部分で、天変地位を占ったそうです。 今ではこの石を撫でると運がわくと言われています。私も近くにいらした年配の親子連れの方に「石に触れると良い事がありますよ」と勧めれれ、願を込め撫でて来ました。
          

お潮井砂
お潮井浜の真砂  字博多では筥崎宮前の海岸の真砂をお潮井と言います。
これを持って身を清めます、春秋の社日祭のお潮井は特に尊いものとして扱われるそうです。
          

放生会は見どころ満載

今では珍しいお化け屋敷や見世物小屋もありました。

          


昨日の夜は舞獅子「箱崎」が奉納されたのですが、用事があり見ることが出来ませんでした。
箱崎」は神功皇后が、筥崎宮松の下に、戒,定,慧の経巻を治めたと言う社伝を題材に観世流流の祖世阿弥が創作した作品です。

放生会では毎日神事が行われています。時間の都合で私は神事を見るこ出来ないので残念ですが、それでも歴史ある筥崎宮放生会を少しだけ知る事が出来ました。
 
最終日の18日には2時から稚児行列、その後 放生神事の稚魚放生,鳩の放生が行われます。