映画「相棒シリーズ X DAY」

テレビ朝日系列で放送している相棒の劇場版「相棒シリーズ X DAY」観てきました。
新宿の映画館バルト9は平日にも関わらず多くの人で賑わっていました。

まさに 「日本が直面している危機、近い将来起こりうる預金封鎖シミュレーションを」を匂わせる内容で、現実味があって、とても興味深い映画でした。
          

今回の主人公は、警視庁捜査一課刑事・伊丹憲一と、新キャラクターのサイバー犯罪対策課専門・岩月彬捜査官。この2人が相棒となり、データ流出事件を発端に明らかになっていく政財界を揺るがす巨大な陰謀に立ち向かっていくストーリーです。 

伊丹役はシリーズおなじみの川原和久さん、岩月は映画で初登場となる田中圭さんが演じています。水谷豊さん演じる杉下右京、神部刑事も少しの出演でしたが事件を解く重要な役です。

不正アクセスと機密情報漏洩の疑いでサイバー犯罪対策課がマークしていた男が死体で発見され、伊丹刑事と岩月捜査官が捜査にあたります。しかし、目に見えない圧力が2人の捜査を難航させ、やがて事件の裏でうごめく政官財の権力構造と、金融封鎖計画「X DAY」の存在が明らかになっていくのです。

特定の銀行である日プログラムミスを装って、客の預金がおろせなくなった、という実験をして、客の反応がどの程度パニックになるかをテストするという政府の試みをを解明してゆくストーリーに
ドキドキ、ハラハラします。

          

明らかに現実に起こりうる事態を想定しているようで、怖いです。
もう10年以上も前からこの手の国家破綻、金融封鎖に関する事は多くの本で書かれておりますが、映像で見るとリアリティーが増します。

一番印象に残ったのは、別所哲也さんが演じる財務省族議員のセリフ。
金融危機が起きようとしているときでも、「少しずつ悪くなっていくぶんには日本人は耐えられる んですよ。絶望的な真実より、希望のある嘘に、飛びつく人が多いですから。」
そして、「実際に起きたら“想定外”と言えばいい」というセリフ。
ぞっとしたと同時に日本人の意識の分析は的を射ています。

映画は、舞い散る1万円札に狂乱する民衆の姿が出てきます。

貨幣制度とは国と国民の相互信頼の上で成り立っているのに、国が一方的に国民を裏切ることを描いています。

***************************************
国の借金残高は完全な危険水域にあり、日本経済はいつ崩壊してもおかしくない状態なのに国民に危機意識は希薄です。政府は震災復興財源に更なる補正予算案を通しそのツケを子孫に回し、さらにアベノミクスと言う無理やりにおこしつつあるミニバブルの風潮に、現実から目をそらしています。

映画を観て帰宅したら、黒田日銀総裁の予想をはるかに上回る大規模な金融緩和の発表で、為替は出かける前に1ドル93.03円だったものが95.50円になっていました。

無理やり、金融緩和をやっても実体経済は良くならず、お金がお金を生む金融資本だけがバブルに便乗して、景気が回復したように見えても、バブルがはじけた時に、今度こそ日本経済は破たんすると私は思っています。

**************************************
平成25年4月1日以降、従来の本人確認(氏名・住所および生年月日等)に加え、職業や取引目的等も確認されます。個人の資産がますます国に監視されているようです。

「お取引時確認」が必要な主な取引

*口座開設、貸金庫、保護預かりの取引開始
*10万円を超える現金振込(含む外国送金)・持参人払式小切手による現金の受取り
*200万円を超える現金・持参人払式小切手の入出金・外貨両替
*融資取引
************************************
以前ブログで書きましたが、我が家には戦後紙くずになった国債があります。
          

国の財政が破たんすれば、昭和21年に起きたことが、形は変わっても起きるかもしれません。
今日観た映画「相棒シリーズ X DAY」はそのことを暗示するような映画でした。
***************************************
国家破綻 昭和21年に起きた日本預金封鎖のこと

終戦後、ハイパーインフレが日本を襲ったのは昭和21年1月からでした。その原因はどうやら上陸したきた米軍が日本円を勝手に印刷して、物資を調達したからという説があります。

昭和21年2月16日(日曜日)に金融緊急措置令等が公布されました。

昭和21年2月17日、日本政府は金融緊急措置令、すなわち預金封鎖・新円切り替え・財産税課税を断行しました。

1、預金の支払い停止ならびに封鎖
2、新紙幣を発行して旧紙幣と交換
 新紙幣と旧紙幣の交換期間は2月25日から3月7日までとし,交換限度は1人につき100円。
  それ以上の旧紙幣は,預金として封鎖する。
3、旧紙幣の失効
 現在流通している紙幣の通用は3月2日限りとする。
4、預金引き出し額の制限
 封鎖預金からの現金引き出しは,1ヶ月につき世帯主300円,家族1人につき100円とする。
  当時の標準世帯を夫婦と子ども1人と考え(実際には子どもはもっと多くいた),合計で500円と
 なり,500円生活(当時では最低限の生活)と言われた。また,事業主の給料の支払いは,
 1人につき500円までとする。