1950年代のシガレットケース


先日サッチャー元首相から頂いた銀の灰皿をご紹介しましたが、今回はタバコつながりで我が家にあるシガレットケースをご紹介します。(サッチャー元首相がなぜ灰皿を選ばれたのか実はずっと大変不思議に思っています。頂いた時にどなたかが灰皿と言ったので、そう思っていたのも知れません。個人的には小物入れだと思いたいのですが、今となってはわかりません。)

我が家にあるシガレットケース、家族には誰もタバコを吸う人はいないので、本来の役目は果たしませんが、繊細な模様の金のシガレットケースは、名刺入れとしてハンドバックに忍ばせておいても優雅ですし、小物入れとしても素敵です。

       1950年代の物と思われるヴァンクリ−フの18 Kで出来たシガレットケースです。
       熟練技を要するゴールドメッシュの手触りはまるでシルクのようです。
          

          

シガレットケースの歴史
時代と共に煙草を吸う方も減って来ましたが、1920年代は喫煙する事もファッショナブルな行いの一つでした。 解放された女性達はタバコをシガレットケースに入れて持ち運び、公の場でシガレットホルダーを使って吸っていたようです。
1920年代には、多くのジュエラー達が、シガレットケースやバニティーケース(化粧用のコンパクト)を制作しており、高価な宝石を埋め込んだ物やエナメルを装飾したシガレットケースやバニティーケースは、この時代のジュエラーにとっては非常に重要なビジネスアイテムであったようです。

数年前に六本木のギヤラリーで開催された「ヴァン クリーフ&アーペル『ザ スピリット オブ ビューティ〜時空を超える美の真髄』」で展示されていたシガレットケースをご紹介します。

100年以上の時は経ていないので、まだまだアンティークとは言えませんが、古き良き時代のゆったりとした時の流れが偲ばれます。
                     「ヴァンドーム広場のシガレットケース。 (1946年)
                      ゴールド、ルビー、ダイヤモンド
                      ヴァン クリーフ&アーベル コレクション所蔵
          
悲しい出来事、不安なニュースが多く、不条理な世界に生きている事を感じる今日この頃、そのような時だからこそ、美しいものに触れ感動する心は失われたくないと思っています。