悲しい報道  瓦礫となった世界遺産

外出から帰宅してパソコンを開けるとそこにショックなニュース。シリアのアレッポのウマイヤド・モスクが破壊されていたと報道されています。2010年11月に訪れたことのある世界遺産です。世界でも指折りの歴史を持つモスク。 でも、ウマイヤド・モスクは世界遺産「古代都市ダマスカス」の一部で、古代都市アレッポ世界遺産ではないはず。各メディアで間違えた報道がされていますが、いずれにせよ毎日のように報道されるシリアの至る所が破壊され、多くの命が失われているという状況には心が痛みます。

報道されたニュース
シリア内戦、世界遺産の尖塔破壊…がれきの山に
読売新聞 4月25日(木)10時49分配信
【カイロ=溝田拓士】内戦下のシリア北部アレッポで、国連教育・科学・文化機関(ユネスコ)の世界遺産古代都市アレッポに含まれるウマイヤド・モスクの尖塔(ミナレット)が破壊されていたことが、24日明らかになった。
反体制派「地域調整委員会」のウェブサイトに掲載された映像では、11世紀に建てられた高さ45メートルの塔は跡形もなく崩壊し、がれきの山と化している。同委員会は政府軍の砲撃で破壊されたとしている。一方、国営通信は、反体制派組織で国際テロ組織アル・カーイダの影響下にあるイスラム過激派「ヌスラ戦線」が破壊したと報じている。

最終更新:4月25日(木)13時22分

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ウマイヤド・モスクとは、
世界遺産「古代都市ダマスカス」の一部であるウマイヤド・モスククはウマイヤ朝第6代カリフのワリード1世によって705年(ヒジュラ暦86年)にダマスカスに建築された現存する世界最古のモスクで世界最大級のモスクのひとつです。元は古代ローマ時代のジュピター神殿があった場所で、4世紀末にローマ皇帝テオドシウス1世が教会を建造。7世紀になってダマスカスがムスリム支配下に入り、10年の歳月を費やして敷地全体がモスクへと改装されました。このため、通常のモスクとは違いローマ建築・ビザンティン建築の様式が色濃く出ています。カアバ預言者のモスク、岩のドームに次ぐイスラム教第4の聖地として、巡礼者が絶えません。内部には洗礼者ヨハネの墓もあり、イスラム教徒だけでなくキリスト教徒にとっても重要な巡礼地として知らてれいます。1979年、「古代都市ダマスカス」として世界遺産文化遺産)に登録されました。