幇間(たいこもち)

古典落語の世界で数多く登場する幇間(たいこもち)。

「鰻の幇間」「幇間腹」「富久」「愛宕山」「つるつる」「王子の幇間」等、落語に出てくる幇間の話は何度聞いても面白いものです。

落語によく登場する幇間は本式の座敷に呼ばれる幇間ではなく、俗に野太鼓とよばれる幇間のことです。

幇間は正式には「幇間」(ほうかん)と言います。

正式な幇間は師匠について、住み込みで、師匠の身の回りの世話や雑用をこなしながら修行を積み、芸を磨き芸名を貰う。

今では数人しか残っていないそうです。

先週その日本に数人しか残っていない「幇間」の中でも第一人者といわれる悠玄亭玉八師匠のお話とお座敷芸を見て来ました。

場所は神楽坂にある鰻の老舗「かぐら坂 志摩金」
志摩金は神楽坂で約130年の歴史を誇るうなぎの老舗です。
          
お食事を頂いた後いよいよ師匠の登場。
          
幇間とはなんぞやというお話から始まり、話芸・声色・都々逸・新内仕込みの粋曲・屏風芸から純お座敷芸と
多彩な芸を見せてくださいました。
                               

屏風芸では落語の「幇間腹」をアレンジした「幇間尻」。
あたかも屏風の中にもう一人いるかのように思わせる磨きこんだ芸。
           
          
都々逸は当然のことながら、歴代の総理大臣の声色,はたまたアメリカのケネディー大統領の演説の声色。
英語の発音も見事にこなす師匠。

師匠じきじきによる、芸のレクチャーもありました。

なかなか足を踏む入れることの出来ない粋な世界を垣間見た楽しいひと時でした。

この企画はぽけかる倶楽部の  「江戸の粋 神楽坂で楽しむ たいこもち」8,980円のコース。
ぽけかる倶楽部は、「ポケットカルチャー」の略で、主に昼間の3〜4時間で楽しめる現地集合・現地解散お手軽日帰りツアーが沢山あります。

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おまけの散歩

東京に生まれ、長年住んでいるのに神楽坂に行った事は有りませんでした。
地下鉄「飯田橋駅」の出口B3を出ると、目の前がもう神楽坂です。今回折角ですので神楽坂の街を少し歩いて見る事にしました。

雨が降っていましたが大急ぎで廻ってみました。

芸者新道
かつては芸者さん達がこの料亭街を行き来していたことが、この道の由来です。入り口にある坂道は、江戸時代の傾斜がそのまま残っている数少ない場所です。

毘沙門天
善国寺開運・魔除けで有名で、今からおよそ400年前に建てられた、歴史あるお寺です。
毘沙門天とは
サンスクリット語(インドの古語)では「ビシュラバナ」と表記し、この音写が「ビシャモン」です。言葉としては「全てを聞く」という意味を表すます。古来よりインドで信仰されてきた財宝の神だそうです。

どこでもお参りをする私は、今回は毘沙門天でお参りしてきました。
                                                                                         

兵庫横丁
神楽坂ならではの細〜い道

かくれんぼ横丁
かくれんぼ横丁とは、人知れず料亭に通う粋人が、辻を曲がると「かくれんぼ」のように姿を消す様から名付けられたとのことです。石畳の細い道が迷路のようで「かくれんぼ」という名にピッタリです。

本多横丁
色々なお店が並んでいましたが、センスのある和風の門構えが多く素敵です。

雨も本振りになり、風も強くなって来たので、予定を早めに切り上げましたが、神楽坂は風情のある街で素敵なお店が多い魅力的な街でした。