海外で生活すると  救急車事情

前回(エクアドル)前々回(イスラエル)の旅行先でのガイドさんは日本人の女性でした。
娘と同じくらいの年齢の女性が、海外で働く姿に接すると、ニューヨークに住んでいる娘の姿とダブらせ愛おしい気持ちで見てしまいます。

海外生活が長い日本人の夫と暮らす娘でもアメリカでの習慣の違いなどで戸惑うことが今でも多いと思います。
まして、単身で海外で生活している方、外国人と結婚して海外で生活している方は、楽しい生活の中にも御苦労が多いと感じます。

今朝娘のブログを見るとニューヨークの救急車事情が書かれていました。
娘のブログの一部(青字)
すっかりお天気になったニューヨークの土曜日。お気に入りのカフェで、仕事と勉強をしようとウェストヴィレッジを歩いていると、、、そのカフェからほど近い Laundry屋(クリーニング店)から、アジア人風の50代位の女性が、『助けて! とにかく、911して お願いと』 飛び出してきました。
後から飛び出してきた白人の男性が突然倒れたそうです。
911は日本でいう110番、119番にあたり、何かEmergeny(緊急事態)発生の時に電話する番号
何事か!と頭の中を瞬時に色々なことが駆け巡ります。
ここは、ニューヨーク。
どんな事件が存在するかわからないから、うかつに近寄ることも、逃げ出すことも出来ず
困っている人がいるなら助けなければと、とにかく冷静さを保って判断しなければと事情を聴くと
『Call an ambulance!』 (救急車を呼んで!)動転しているその女性は、そればかりを繰り返します

このような内容でした。
日本ならば、躊躇なく救急車を呼ぶでしょうが、アメリカでは、救急車を呼ぶと料金を請求されます。ですので、一瞬本当に救急車を呼んで良いのか迷ったようです。
結局娘は事情を細かく説明し救急車を呼んだそうです。

娘のブログの続き
自分にとっては、100%救急車を呼ぶべき事態と判断できれば躊躇することもなくかけられたのですが 最初から事態を目撃していないゆえに、最後まで本当によぶことが正しい行為だったの自問する時間が少し辛かったです。
助けてと言っているお店の方が電話しなかったことも娘が通報するのを躊躇した理由の一つだったらしいのです。
最終的には、本人もまわりもそれを望んでいることだとわかって良かったですが、
勝手に自己判断で救急車を呼んでも、患者にとっては有難迷惑ということにもなりかねないアメリカ。

持っている保険、保険がカバーする医療や金額は人によって全く異なり、医療保険に入っていない人も
たくさんおり、かつ救急車が有料なアメリカ。
ゆえに、日本だったら確実に救急車を利用するところでも、それを拒否してタクシーに乗って
自分で病院に行くという選択をする人も多いのが現実。
相当な怪我や病態を見ても、
『Do you have a good insurance? Can I call 911?』 (良い保険入ってる? 911に電話してもいい?)
という会話が交わされてしまうアメリカ。

海外で生活するということは日本での常識や価値基準を持ってとっさに判断できないこともあるのですね。
と言うことで今日は海外での救急車事情を調べてみました。

救急車を利用するときの料金アメリ
ホノルル 5万1780円〜6万7980円
ロサンゼルス 4万5900円
ニューヨーク 約2万5000円
ニューヨークでは、官営と民営の救急車があり、民営だと、搬入先の病院を指定できるそうです。
民営の救急車以外で、行き先を指定したい場合は、タクシーを利用するか、希望先の医療機関に連絡し、救急車を呼ぶことになります。基本料金のほかに1マイルごとに約600円の加算がさえるので、トータルで5万円以上請求されることが多いようです。
カナダ
バンクーバー 5万8800円
オーストリア
ウィーン 1万9500円〜2万4400円
フランスパリは無料となっていますが、外務省によると、基本料金約8530円1kmごとに、約285円
ドイツ
フランクフルト 約2万2000〜7万3000円
救急救命士が同乗し、応急手当を行うため、症状で料金が変動する。また、家族であっても患者以外は救急車に乗れない。タクシーまたは、自家用車で追いかける。
ロシア
モスクワ 9300円〜1万8700円
オーストラリア
ゴールドコースト 9万700円
パース 5万8200円
シドニー シドニーでは、基本料金が1万1000円1kmごとに約300円
ニュージーランド
オークランド 5万1400円
中国
上海 4500円
北京 6450円
シンガポール
シンガポール無料(事故の場合)病気の場合だと、有料になり、約1万3600円
タイ
バンコク 3700円〜7300円
ベトナム
ホーチミン 1400円
ノルウェー
オスロー 無料(場合によっては有料)
              

メキシコ     メキシコシティ 無料
ブラジル     サンパウロ 無料
イギリス     ロンドン 無料
イタリア     ローマ無料
ギリシャ     アテネ無料
スペイン     マドリード 無料
トルコ      イスタンブール 無料
インドネシア   バリ島 無料
フィリピン    マニラ 無料
マレーシ     クアラルンプール 無料

救急車の費用の負担だけでなく、医療費の負担もとても高額な国があるようです。

すべての国民が、ほぼ平等に比較的安い金額で治療を受けられる日本の医療制度は こう考えると有難いことなのですね。