ペルーの国歌

エクアドルに続き 今年2度目の南米の旅の出発が近づいてまいりました。
今回の旅のメインはペルーのマチュピチュ遺跡の見学。

毎回旅の前に行う訪れる国の国歌を知ること。今回も調べてみました。

そして以前新聞に ここ数年ペルーで話題になっている国歌にまつわる動きに関しての話が書かれていたことも思い出しました。

ペルーは経済規模では南米12カ国の中では6番目の国。地域の大国ブラジルや20カ国・地域(G20)に名を連ねるアルゼンチンと比べると見劣りし、ポストBRICsとして次々と生み出される略語「CIVETS」「MIKT」といった組み合わせに登場することもない。それでも企業の南米戦略での「ブラジルの次」の選択肢として俎上、
ペルーは有望な新興国として脚光を浴びている。

私達はは自由だ。いつまでも変わらず自由でいよう。
というリフレインから始まるペルー国歌。
それに続く第1節から第6節までの歌詞は、インカ帝国が滅ぼされ植民地として従属した苦悩、 南米全体に広がった独立の動き、そして自由を勝ち取った喜びを歌いあげる。

ペルーの国歌は歌詞が長大なため、政府や学校行事ではリフレインと第1節を歌い、再びリフレインに戻って終わることが多かったが、09年に当時の国防相が軍に対し、第1節の代わりに第6節を歌うように指示。

これに追随して翌年には学校や議会でも第6節が歌われるようになった。

変更の理由は、建前としては第1節が当初からあった歌詞ではなく、補作されたものだったが、実際に大きな動機になったのは、歌詞が「後ろ向き過ぎる」という理由。

このことに関しての意見は賛成派は「学校行事で繰り返し歌ううちに、劣等感を植え付けてしまう」反対派は「歴史は正しく認識すべきだ」。

政治主導での変更ではあったが近年の経済成長が国民に自信を芽生えさせたのか、国民には第6節が定着しつつあるようだ。

このような新聞記事でした。

ペルーは、1980年代に経済運営の失敗からハイパーインフレーションが発生し、経済が破綻状態に陥りました。しかし、1990年に発足したフジモリ政権のもとで、経済自由化・財政健全化が進められ、ペルー経済は再生しました。フジモリ政権以後も、新自由主義的な経済政策は基本的に踏襲されており、財政金融政策は堅実に運営されています。また、ペルーは貿易・投資の自由化にも積極的であり、2009年に米国とのFTAが発効、2010年からTPP交渉に参加し、2011年には日本との経済連携協定EPA)にも署名しています。
ペルー経済の好調をもたらしている最大の要因は、資源価格高騰を背景とする鉱山部門への外国からの直接投資増加であり、それによって国内の投資や個人消費が活気づいているのです。ペルー経済に対する国際的な信認は確実に向上しているのです。

国歌を知ることは、過去の歴史がわかるだけでなく、現在の経済事情までも知ることが出来、面白いです。

ではペルーの国歌をお聞きください。
        
日本語訳
私たちは自由だ。いつまでも変わらず自由でいよう。
太陽の光がなくとも、私たちはこの荘厳な約束を神に誓ったのだから。

1   (今までは上の青色部分とこの第1節を歌い、再び上の青い部分を歌うことが多かったそうです。)
長い間虐げられてきたペルー人。
奴隷のように残酷に捕らえられ、重い鎖を引きずって、長い間それに耐えてきた。
しかし神聖なる叫び"自由を!"を海岸地方で聞いた時、首をうなだれ無気力になっていた人々は天を仰ぎ、
希望の光を見いだした。

3世紀もの間聞こえつづけたあの恐ろしい鎖の音は止んだ。世の中があっけにとられている間、自由になった人々が神聖な叫びを叫ぶのを聞いた時、その音は止んだ。
サン・マルティン将軍をたたえる声、そして"自由!自由!"と蜂起の声が響いている。その声は一つとなり、アンデスの山々の麓から揺れ動かし広がっていった。

この影響で他の国々も目を覚まし、自由の叫びは稲妻のように広がった。
イツモ(パナマ)からティエラス・デル・フエゴ(チリ)まで、熱い地方から寒い地方にまで伝わっていった。
皆、二つの世界の不自然さを断ち切り、スペインが二つの国に誇らしげに持たせかけていた権力を壊すことを誓った。

リマは荘厳な誓いを守る。
私たちはきびしい怒りを持って、暴君に立ち向かおう。
私たちを弾圧しつづけてきた暴君も、今は無力になった。
自分の足枷の痕に気づき、それを自ら壊してはずした。
インカの王・神から受け継いだ憎しみと復讐に火をつけた。

同胞よ。3世紀もうめき、うなだれてきた奴隷の姿をもう見ることはないだろう。
そしていつも自由を誓おう。この栄光をいつも守ろう。
私たちの手にはこれまで武器が無かったが、今はいつも平和のための大砲が用意されている。
その威力はいつの日かイベリアの海岸にまで届くだろう。
6   (最近は第1節ではなくこの第6節を歌うことが多くなったそうです。)
アンデスの山の頂上に2色の旗が翻る。
自由を勝ち取るためにしてきた努力を伝えるために。
そしてその旗の下で、私たちは平和に生きる。
太陽がアンデスの山の頂から昇るとき、ヤコブの神にささげた自由の誓いを新たにする。