向島

浮世絵や芝居の舞台ともなった伝統ある向島花街にある老舗料亭で季節の会席料理を頂きながら、
芸者さんの踊りと お座敷芸を見て来ました。

東京スカイツリーの北にあたる向島は都内でも有数の花街の伝統が残っている不思議な雰囲気の街です。

江戸時代には料理屋を中心に栄えていたこの地に芸妓が登場し始めたのは明治に入ってからです。
1940年には、それまでいくつかに分裂していた見番の大合同が実現、芸妓屋408軒、料亭・料理屋215軒、芸妓1,300人という日本最大の花街が出現しました。
日本各地の花街は徐々に衰退していきますが、向島は現在でも芸妓約100人、料亭・料理屋18軒という東京で6ヵ所ある花柳界の中で最大規模を誇り、本物の芸者文化を守り続けているそうです。

今回伺った料亭は老舗料亭「櫻茶ヤ」さん。
「櫻茶ヤ」さんは、故竹下登元首相の派閥「経世会」の結成会の舞台となった「一見さんお断り」の高級料亭でしたが、最近はお昼の時間に手軽に楽しめるコースもあります。
          
          
                     
中庭には、玉砂利の上に壷が飾られ、枯山水風の雰囲気をかもし出しています。
          

          

     
         

       
            

                   
   
いよいよ芸者さんの登場。
         
         
          
               

          
若い半玉の”まんてん”さんが、席を廻ってお酌をしたり、三味線と地唄の”こまこ”姐さんが席を廻りの
おもてなし。

小休憩を挟んで、お座敷遊びの時間です。定番の『トラ、ト〜〜ラ、ト〜〜ラ、トラ』のルール
と踊り方の説明をして頂きました。

虎虎遊びはジャンケンのようなものです。芸者さんと楽しむと、こんなにも華やかなお遊びになるのですね。
加藤清正(槍名人)・老婆(清正の母)・虎(猛獣)のどれかになって、勝ち負けを決めます。

加藤清正は、虎に強いが老婆に弱い。
虎は老婆に強いが加藤清正に弱い。
老婆は加藤清正に強いが虎に弱い。
写真を撮るのを忘れて虎虎遊びを楽しみました。

お土産に向島芸者さんおすすめの雷おこしを頂きました。
雷おこしは東京土産の代表にとして有名ですが、今までは美味しいものと思っていませんでした。
でも、お土産に頂いた大心堂の雷おこしは今まで味わったものとは異なる美味しいおこしでした。

全国各地には様々な種類のおこしがあるそうです。「おこし」の起源は西暦900年で、後の文献によると当時「於古之古女」(オコシコメ)と呼ばれ、平安の貴人達に広くもてはやされた。との記録があります。ある時代には大事な保存食でもあったそうです。
昭和39年、大心堂の店主は、当時作られていた『雷おこし』だけでは満足出来ず、究極のおこしの味を追求してできたものだそうです。
          
粋な向島を楽しむことが出来たひと時でした。