エドワーディアンの天然真珠のリング

6月の誕生石と言えば真珠。
今回はエドワーディアンの天然真珠のリングをご紹介します。

エドワーディアンとは
昔、英国では、国王の名前がその時代の名前にもなっていました。
エドワード7世が国王として在位していたのは、1901年から1910までですが、実際的には1880年頃からは、英国王室の社交の中心は、当時は皇太子であったエドワード7世とその妻、アレキサンドラに移っており、時代のファッションもこの2人が主としてリードして行くようになっていました。
そして、1910年のエドワードの死後も、すぐに時代の風潮が変わったわけではなく、第1次世界大戦が始まるまでは、ほぼ同じであったことを考慮すると、エドワーディアンというのは、1880年頃から1915年頃と考えられます。

エドワーディアンのアンティークジュエリーとはこの時代にイギリスで作られたジュエリーを指します。              天然真珠、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、プラチナ
          
この時代にはプラチナという貴金属が、初めて本格的に使われるようになりました。
セットしたダイヤモンドに貴金属の色が反射して黄色っぽく見えないこと。
また極めて硬度が高いために宝石をセットする爪の素材として優れていることなどが知られてきたからです。

真珠はまだすべて天然真珠だけの時代です。
この時代になるとヴィクトリアン後期のハーフ・パールは姿を消して、丸いままの真珠が多く使われました。

エドワーディアン時代のジュエリーの特徴はヴィクトリアの時代の物に比べると薄く瀟洒で繊細・シンメトリーなものが多く見られます。
ベゼル(指輪の宝石のはまる所)セッティングは、ダイアモンドを爪でとめるのではなく、地金部分に溝を作り、その溝にダイアモンドを詰めて、ダイアモンド囲うようにセットする難しい留め方です。

凛として繊細、私が好きな時代のジュエリーです。
          
天然真珠は装飾を施したプラチナの台座少し埋め込んでセットしてあります。
真珠を美しく見せるための工夫なのでしょう。
          
エドワーディアンは、貴族社会が最後の華を咲かせた時代でした。

この時代のファッションは、王室や貴族達が社会の規範やファッションを決定し、大衆はそれを真似るという在り方が存在した最後の時代です。

この時代を最後として、王室や貴族がファッションやジュエリーの流行をリードするという時代は2度とは戻って来ませんでした。