ブータンの旅  最終編  タクツァン僧院へ

6日目 
今回の旅で一番楽しみにしていたタクツァン僧院に行く日です。    この日も天候に恵まれました!

タクツァン僧院
8世紀にチベットからブータンにやってきてチベット仏教ニンマ派=古派)を伝えたパドマサンバヴァ
(グル・リンポチェ)、彼は、この地に虎の背中に乗ってやってきたといいいます。タクツァンというのは、
「虎の巣」の意味です。パドマサンバヴァはここで瞑想をしたあと、パロ地方の人々に仏教を広めました。
タクツァン僧院は崖の上にあり、絶壁にへばりつくように建っています。

朝7時にホテルを出発。バスで20分、タクツァン僧院ハイキングスタート地点に到着しました。

スタート地点は標高2500m。準備運動をして、50ヌルタム(約100円)で杖を借りいざ出発!
          
初めはなだらかな道
          
ここにもルンタ(祈りの旗)がはためいています。
ルンは風、タは馬。ルンタは風の馬を表します。
旗の中央に印刷された馬は「風」「速さ」を象徴し、願いごとが早く成就するようにという思いがこめられています。青、白、赤、緑、黄の5色があり、それらをつなげて飾ります。
ルンタの色にはそれぞれ意味があり、青は空や水、白は雲や風、赤は火、緑は森、黄色は土を象徴しています。

          
聖地らしく水車を利用したマニ車があります。川が流れる限り永遠に回り続けます。
          
だんだん険しい山道になります。
馬を利用する人もいますが、崖の下に落ちる事故もあるので私達は歩いて行きます。
          
          
第一展望台
歩くこと約1時間20分、ようやく第一展望台に到着しました。第一展望台にはレストランがあります。
ここで紅茶を頂いた後第2展望台に向けスタート。
          
第二展望台 
第一展望台からさらに約45分歩いて、ようやく第二展望台に到着しました。
ここはタクツァン僧院よりも高く、標高約3100メートル。
この展望台は僧院を見るベストポイントです。
          
この展望台からは僧院を見下ろす角度になります。
          
ここから僧院まではすべて階段の道で約600段下った後、約300段登ります。
          
だんだん近づてきました。今度は上りです。
          
          
          
ツァツァが沢山置かれていました。
ブータンでは人が亡くなると火葬し、川に流すのですが、灰の一部を土に練りこんで”ツァツァ”と呼ばれる小さな仏塔を作ります。そして家族でそのツァツァを聖地に置いて死者の極楽往生をお祈りするのです。ツァツァは時間が経つと自然に還ります。ブータンでは輪廻転生の考えが浸透しているので、お墓も位牌もありません。 
          
眼下に歩いてきた道が見えました。よく頑張った!
          
聖地タクツァン僧院に到着。僧院の中はカメラやバックなど一切荷物を持ち込むことができません。
ここからは許可がないと入れないそうですが、私達ツアーは入ることが出来ました。グル・リンポチェが瞑想したと言われる洞窟も見ることが出来ました。
          
帰りは達成感で足取りも軽くなりました。杖を使っての山登りは初めてでしたが、これは強い味方になりました。
          
          
第二展望台のレストランで昼食。山登りの後のお食事は格別です。
          
          
それにしてもよくあのような断崖絶壁に僧院を建立したものです。

念願のタクツァン僧院の後は西岡記念館に行きました。

西岡記念館
昨日西岡チョルテンに行き、西岡氏が、いかにブータンの農業の発展に貢献したかを知りましたが、今日は西岡記念館の見学です。
1964年ブータンに、海外技術協力事業団(現・国際協力機構)のコロンボ計画の農業指導者として夫人とともに赴任。 以後、28年間、日本から導入した野菜の栽培および品種改良、荒地の開墾などブータンの農業振興に尽力しました。 西岡氏の振興策は援助側の一方的な施策の押し付けではなく現地の実状に即した漸進的なものでした。このため成果の 確実性、定着性において他に例をみないほどの成功をおさめ、産業・生活の基盤改善に大きく寄与。
1980年、ワンチュク国王から「国の恩人」として、民間人に贈られる最高の爵位・ダショーを授かりました。(唯一の外国人受爵)。
1992年、帰国直前に敗血症のためブータンにて死去(59歳没)。ブータン王室ならびに政府は西岡氏を国葬で送りました。
  
ブータンは、親日国として知られていますが、彼の功績のおかげだと感じました。

イトゲンバ(イト寺院)にて法要体験
高僧の案内で車1台がやっと通れるがたがた道を上って到着したイト寺院。
          
お坊様総出で整列、チべタンホルンも吹かれ高僧をお出迎えです。
          
私達だけの為だけに特別に長寿と繁栄を祈る法要が行われます。
          
読経と共にチベタンホルン、太鼓、などの音が響き渡ります。
ブータンの読経の不思議なメロディーは何か秘密めいています。

読経の最中にバター茶が振る舞われ、炒り米のお菓子などが配られました。

途中何回も私達1人1人に高僧が聖水を掌に注いでくださったり、頭を棒状のもので触れたりと、長寿と繁栄を祈って下さいました。

特別な法要が行われると言う事で、この寺に瞑想に来ている方の奥様と、その方から連絡を受け是非とも有難い法要を受けたいと駆けつけたご婦人いらっしゃいました。
          
1時間の予定を、大幅にオーバーして行われた法要は、素晴らしい体験でした。

高僧からはお土産にマニ車をプレゼントされました。
マニ車ブータン国内のお寺に必ずといっていいほど設置されている円筒状もので、内部には経文が書かれた神がセットされていて、それを1回回すことによってそのお経を1回読んだこと(徳を積んだこと)になるという便利なものです。大きさは大小さまざまで、お寺以外の宗教関係施設や道路沿いなど様々な場所で目にすることができます。川のある場所では水流でひたすら回り続けるマニ車もあります。回す方向は、お寺やチョルテンを回る時と同じく時計回りに回します。
私達が乗ったバスの運転席の前にも小さなソーラーマニ車が置かれていていました。

                          頂いたマニ車
          
キチュラカン
ブータン最古のお寺です。今回は王族(第4代国王の御妃)がいらしていたので、中を見学することは出来ませんでした。

                     王族がいらしている時にかかる旗
          

          
          
キチュラカンを外から見学した後ホテルに戻り夕食です。

ホテルが提供する夕食の他に、添乗員の杉林さんがホテルの厨房を借りて、ソーメンを作って下さいました。
ユーラシア旅行社の特別サービスです。  

ブータン式お風呂ドツォの体験
昨日伺った民家に行き、石焼風呂(ドツォ)に入りました。
私達が着くころには既に温かいお風呂を用意をして下さっていました。
水着を着て入ります。焼いた石を1つ足して温度を上げて頂きました。気落ち良い!
石からのミネラルでお肌がつるつるになると言う事でした。・・・が・・翌朝10歳若返っていると言いたかったのですが、残念ながら私には普通のお風呂と同じでした。
でも、田んぼの中のお風呂でしたが、湯冷めはしませんでした。
          
幸福の国ブータン8日間の旅も終わりです。明日の朝パロ空港からバンコク経由で帰国します。
羽田到着(行きは成田でした)は明後日の朝です。

「幸福の国ブータン」はとても不思議な国でした。

参加者7人の皆様ととても楽しい旅が出来ました。今まで出会ったガイドさんの中で一番日本語が上手だったビカッシュさん、崖の多い細いがたがた道を安全運転して下さったドライバーさん、急な行程の変更にもいつも笑顔で細やかな対応をして下さったユーラシア旅行社の添乗員杉林さん、皆様本当に有難うございました。
                      

 2014年10月1日〜8日  ユーラシア旅行社   幸福の旅ブータン8日間