「世界の中心で、愛をさけぶ」・・・ではなく

納沙布岬で「返せ〜」と叫ぶ

露外相、北方領土で「現実」認めるよう強硬態度 このようなニュースが報道されました。
【モスクワ=寺口亮一】ロシアのラブロフ外相は、28日からの訪日を前に一部日本メディアの書面インタビューに応じ、エネルギー分野などでの日本との関係強化を訴える一方、懸案の北方領土問題については「(4島は)第2次大戦の結果、法的根拠に基づきロシア領となった」との「現実」を認めるよう日本に要求する強硬な態度を示した。

4島での共同経済活動については、「ロシアの法があらゆる可能性を与える」として、「日本の法的立場を害さない」との前提で経済協力を求める日本の主張を否定した。
読売新聞 1月27日(金)10時53分配信

そして今知った実際ラブロフ外相が来日して昨日行われた会談は
玄葉光一郎外相は28日、同日来日したロシアのラブロフ外相と都内の飯倉公館で約4時間半にわたって会談。北方領土問題には約40分間費やし、「棚上げせずに静かな環境で議論する」ことで一致した。ただ、ラブロフ氏は「新しい政府ができてから議論に戻りたい」と述べ、実質的な協議は5月の新大統領就任後に持ち越しとなった。

会談で玄葉氏は「北方四島は日本に帰属する。真の友好関係を構築するには領土問題を解決して平和条約を締結することが必要だ」と述べ、積極的に交渉に応じるよう求めた。これに対してラブロフ氏は「双方が前提条件や一方的な歴史的条件をやめるなら進展は可能だ」と語り、領土問題でロシア側が強硬姿勢を崩していないことを印象づけた。産経新聞 1月28日(土)20時32分配信

つい最近まで、歴史的な背景を認識しつつ、今日の日ロの友好関係から、ロシア側は「2島先行返還」「面積等分」などのプランを提示し歩み寄る姿勢を見せていたのに、それを前原外相の時に、余りにも前原外相の態度がひどいために、ロシア側も「そこまで言うなら、2島先行返還もない」と態度を変化させてしまったのです。日本の政府の交渉能力はまったくお粗末なものだと感じます。

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北方領土のことは知っているつもりではいましたが、2010年の7月に納沙布岬を旅するまでは
北方領土がいかに近くにあるかは知りませんでした。

納沙布岬からは肉眼で北方領土の中の歯舞群島の一つである貝殻島が見えました。
たった3・7㎞しか離れていません。望遠鏡があれば人の姿がはっきり見える距離です。
          

納沙布岬には「北方館」「望郷の家」があります。
「北方館」には北方領土問題の発生の状況や歴史的経緯の資料が展示してあります。
隣りの「望郷の家」には戦前の島民の生活関連資料や島々における街並みや住居表示を祈り込んだ地図等の展示。北方領土の歴史と生活が幅広く紹介されていました。

これらを見学した後、添乗員さんが「皆さん、一緒に貝殻島に向かって返せ―と
叫びましょう」とおっしゃいました。貝殻島からはきっとロシア軍がこちらをじっと監視していると思いながら少々怖い気持ちを持ちながらも、言われるがままに皆で「返せ−」と大きな声で3回叫びました。

貝殻島は、島というよりは岩礁に近く、1937年に日本により建設された灯台があります。灯台灯台基部と共に基礎部分の劣化が進み、傾いた姿が納沙布岬から目視で確認できます。灯台はロシアが現在も管理・維持を続けており、消灯と復旧を繰り返しているます。ただし、劣化が進んでいるため、機器劣化(主に電池の消耗)のために消灯した場合、ロシアが復旧するまで消灯状態が続きます。消灯期間が長期に渡った例としては1999年から約3年間に渡って消灯したこともあったようです。

貝殻島付近は海流の関係で、昆布の良い漁場です。とても美味しい昆布だというのでお土産として貝殻島の昆布を買いました。その昆布はロシアから漁業権を買い取って、一年に一回だけ採りにいくのだと聞きました。
ロシアにお金を払って採らせてもらっている・・・・・・何だか既に勝負は決まってしまっているように感じ、とても複雑な気持ちでした。

2006年8月16日に起きたこと
2006年8月16日、根室湾中部漁協所属のカニかご漁船「第31吉進丸」(4・9トン、4人乗り組み)が納沙布岬沖の北方領土貝殻島周辺で、ロシア国境警備庁に銃撃、拿捕(だほ)され、拿捕の際、乗組員1人が死亡しているのです。

このニュースを聞いた時点では、貝殻島がこれほどまでに近いということは知らなかったのですが、自分の目で実際にその近さを確認すると憤りを感じます。

納沙布岬にある四島のかけ橋と祈りの火      返せ北方領土 納沙布岬とかいてあります
                         
戦後3年間は貝殻島周辺は日本の海域となっていて、現在日本も領有権を主張しており、日本の制度上は北海道根室市の管轄となりますが、実効支配を行っているロシアではサハリン州南クリル管区に所属しています。