スリランカの旅   象の孤児院

6日目
ヌワラエリヤの高原の涼しい風は避暑地として選ばれるだけあり、とても心地良いものでした。

ヌワラエリヤを後に象の孤児院に向かいます。

高原を降りる時、花売りの少年がまたまたバスを追いかけてきました。
バスに追いつくはずもなく、少年の姿は遠ざかって行きます。何故か胸が熱くなります。
逞しい大人に成長してね。少年の将来が幸溢れることを祈ります。

あたりに広がる茶畑で、茶摘みをしている姿が見えます。(写真を撮れなかったのが残念)
美しく見える光景ですが紅茶生産の基盤である茶摘みに従事するプラッカーと呼ばれるタミル人女性の労働環境は、長時間の屋外労働、低賃金、男女差別など厳しい労働条件だと言うことが頭をよぎります。

途中紅茶のお店により試飲の後 買い物タイム。やはり現地だと安いお値段で買うことが出来ます。
        

スリランカ美人
スリランカではキャンディに美人が多いと言われているそうですが、ここヌワラエリヤにも美人さんが沢山います。(キャンディに近いのでキャンディの人たちかも知れません)紅茶のお店のスタッフは美人揃い。 彫が深く目が大きく小顔。 一緒に写る勇気は湧きませんでした。 
        

        

象の孤児院に向かう途中バスの中から奇妙な木を発見!
なんとコウモリが木の枝に無数にぶら下がっているではないですか!!!たわわに実るコウモリ?すごい数です。コウモリと言えば,薄暗い所か真っ暗な穴の中にいるものだと思っていたのですが,こんな白日の下で!不思議な光景です。

このコウモリはインドオオコウモリと言って、インド・スリランカミャンマーに分布し、昼間は大きな木に多数集まり休息し,夕方になると主食の果実を求めて活動を始めます。小型のコウモリのように超音波を出して獲物の位置を確かめること(エコーロケーション)はできません。目が大きく発達し,有視界飛行をしています。
        

バスが突然停まりドライバーアシスタントさんが果物店に走ります。昨日は美味しいジャックフルーツを差し入れして頂きましたので、今回も期待。
赤バナナを差し入れてくださいました。様々な種類のバナナが売られていますが赤バナナは最高級品だそうです。お味は濃厚でした。現地でしか食べることの出来ない果物を頂くことは旅の楽しみのひとつです。有難う!!!
        

象の孤児院
キャンデイからおよそ30km離れたキャーガッラの郊外ピンナワラという場所に「ゾウの孤児院」と呼ばれるゾウの保護施設があります。スリランカの人たちにとって象はとても耳近な動物でまだまだ運搬や農耕などに象の力を借りている地域も多いとのことです。象の孤児院は森で傷ついたり、親を失った象たちが保護され、手厚い介護をうけて暮らしています。

水浴風景は圧巻です。毎日2回、象舎から何十頭もの象が川で約2時間、水浴します。
        

        

象が水浴していた川べりにあるレストランで昼食。
        

昼食後 孤児院へと移動すると・・・・ゾウが放し飼いになっていました。
森の中で生活するのと同様に各々草をはんでいました。
          
傷ついた象、その原因が何なのか胸が締め付けられるようでしたが、元気に仲間と遊んでいる姿に象の孤児院の存在の大切さを改めて実感しました。
               (写真を乗せるのは躊躇いがありましたが・・・)  
        

孤児院の外にはこの象の糞から紙を作って売るお土産屋さんがあります。
紙の生産工程も説明して頂きました。象の糞は繊維だらけなので乾かしてよくさらせば匂いもない上質な紙が出来るのです。
        
象の糞を利用して出来た、メモ帳や、便せん、可愛い紙袋などが売られていました。
        


象の孤児院の入り口付近に赤ちゃんを抱いた女性が物乞いをしていました。
スリランカには最低限の生活の保障があると聞いていたのですが???なぜ?

私達が入園してから、帰るまでの2時間近く炎天下の中ずっと赤ちゃんを抱いて立っていました。
        

スリランカでは無償の食糧無償の医療および無償の教育という三大福祉政策があるようです。しかし、人口の75パーセントが住む農村地域には,貧困層の85パーセントが集中しています。貧困から抜け出すために村を捨てて都会で暮すには,英語が話せなければならなりません。英語を媒介に都市へ移住する人は,村で、マハーットャと呼ばれている 官吏,医師,法律家,上級学校の教員,プランテーションの支配人,企業の幹部職員,軍の将校などです。移住したとはいえ,村を捨ててしまったわけではなく、たいていがココナツ園や水田の不在地主であり,年に数回は村に戻ってくるそうです。村に住む人が都会に出て教育を受け、貧困から抜け出すには三大福祉政策があっても、やはり難しいものがあるようです。スリランカで大金持ちになる方法は「海外に出て成功してから国に戻る」とガイドさんが言っておられましたが都会に住んでいてもその上を目指すのには今度は海外を目指すのでしょうか。

そしてもう一つの問題。スリランカの人口の大多数がシンハラ人です。その次に多い民族がタミル人で、全体の約15%を占めています。タミルの人々の多くは植民地時代にインドから連れてこられた人たちの子孫です。現在も、紅茶のプランテーションでは多くのタミル人が働いています。また、人口比率は小さいのですが、ジャングルで狩猟生活を行っている先住民族もいます。ヒンドゥー教徒が多数を占めているのがタミル社会、そこではカーストに基づく差別の名残りが存在しています。封建的なカースト慣行が存在するタミル社会の一部以外では、教育が功を奏したせいか、不可触制は行われていません。

紅茶農園ではインドから来たタミルの人々がたくさん働いていて、その人たちの多くはインドの
ダリットコミュニティ(「壊されし人びと」の意)に属していた人たちといわれています。
そのため、農園で働くタミルの人々の生活は貧しく、様々な形で社会的な力を奪われています。

この様な一面があるのも事実ですが、結婚式を見た時に、お見合いが多く、保守的なスリランカの結婚事情を知り、ガイドさんに「シンハラ人とタミル人の結婚に障害は有りますか」と伺いましたら「まったくなく、周りにもたくさんいます」とおっしゃっていました。これも事実でしょう。

人々が穏やかにのんびり暮らしているように見えるスリランカも色々問題はあるようです。

最も、日本においても格差社会や色々な問題は山積みです。今ある境遇から抜け出すのは大変なことです。 
 
スリランカでは塾に通わせて勉強させる。そうしなければ良い仕事に就けない」学校の前でガイドさんが説明されました。どこの国も同じだと感じる瞬間でした。
        

これからゴールの町に向かいます。