コーカサスの旅  グルジア

2013年5月18日 9日目 旅の最終日 前編

トビリシで宿泊したコートヤード バイ マリオットホテルの部屋からは自由広場が見渡せます。
カーテンを閉めるのは惜しい程の眺めです。
でも明日の午前中の自由時間には見たい所が沢山あります。さあ早く寝なくては・・・。 
         

旅の最終日、朝カーテンを開けると良いお天気です。
窓の下に広がる自由広場は旧ソ連時代にはレーニンスクエアと呼ばれていたそうです。
軍事クーデターやバラ革命の舞台となった所ですが、 広場の脇には噴水のある公園があり、
今では人々の憩いの場所となっています。
                  金色に輝く聖ゲオルギウスが目の前に見えます。
          

          

          

広場の真ん中に立つ塔の上にはドラゴン退治の伝説でも有名な聖ゲオルギウスが輝いています。
          

聖ゲオルギウスはキリスト教における7人の聖人の一人です。
国により様々な呼ばれ方をされますが、いずれも同一人物です。
彼はキリスト教を守るためにドラゴンと戦い、勝利し、悪と戦い続けるその姿は、キリスト教の悪に対する勝利の象徴とされています。イングランドグルジアやモスクワの守護聖人で、西方では十四救難聖人の一人に数えられ、中世ヨーロッパで最も名の知れた聖人です。

聖ゲオルギウス十字
聖ゲオルギウス十字は白地に赤い十字ですが、これは聖ゲオルギオスの伝説にちなむものです。英語読みでセント・ジョージ・クロスとも呼ばれ、赤色はゲオルギオスの血を意味しています。聖ゲオルギオスの伝説は、ヨーロッパ一円に広まっており、各地でそれを元にした旗・紋章が見られます。
                        

聖ゲオルギウス十字を元にした旗 紋章をいくつかご紹介します。
モントリオールの旗     ロンドンの旗     バルセロナの旗      ミラノの紋章

    


グルジアの国旗
                       
グルジアの国旗は、聖ゲオルギウス十字とエルサレム十字の組み合わせとなっているのです。

市庁舎の後方にはグルジアの母の像が見えます。
                        

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グルジアの地下鉄  
自由時間にグルジアで是非乗って見たいと思っていた地下鉄に乗ることにしました。

以前ウズベキスタンタシケントで地下鉄に乗って以来、ソビエトの地下鉄の駅に魅せられてしまいました。
駅の設計とデザインがとても凝っているのです。
グルジアではどんな鮮やかな装飾がなされているのか、是非見たいと思っていました。

グルジアの首都トビリシは、グルジアソビエト社会主義共和国の首都としての政治的な位置づけから、旧ソビエト連邦でも4番目に重要な都市でした。19世紀から20世紀にかけて急速に成長し、文化的・政治的な中心であるばかりでなく、南カフカスの交通と産業の重要な拠点とされてきたことから地下鉄が必要であると考えられるようになりました。
建設は1952年に始まり、1966年1月11日にグルジアで初、そして唯一の地下鉄として開業しました。
1990年代初期から半ばには、電力不足のためトビリシ地下鉄の運行は停止していました。
以前はスリや強盗などの犯罪があり、また事件も発生していますが、現在は犯罪は減少しつつあり、サービスも大きく改善されています。
 

宿泊のホテルからすぐ近くに地下鉄の駅があります。
          

窓口で2ラリを払いカードを買って、そこに現金で入金(チャージ)します。日本のスイカパスモと一緒です。距離に関係なく一乗車0.5ラリ。
一乗車がいくらかわからず、言われるまま少し多めにチャージしてしまいました。
                     

旧ソ連圏お馴染みの深くて、超高速エスカレーターです。
日本のエスカレーターでも少し長いものは高所恐怖症の私は怖いのに、こちらの長さは比ではありません。
しかも速い!速い!   乗ってしまったらもう降りることは出来ません。

                           

写真撮影は禁止だと思っていたのですが、係りの方に伺ったら撮影OKでした。
想像していた美術館のような美しいモスクワの地下鉄のホームとは違いましたが、旧ソ連圏独特の雰囲気はそのまま。
以前は豪華な装飾が施されていたようですが、どうも塗りつぶされたようです。
          

ホームの一番奥に2003年の無血クーデター「バラ革命」を支持する意味のバラの花が1輪、大きく描かれていました。

バラ革命、2003年にグルジアで起こった、エドゥアルド・シェワルナゼを大統領辞任に追い込んだ暴力を伴わない革命です。野党支持者は手にバラを持って議会ビルを占拠し、シェワルナゼの議会開会演説を妨害、シェワルナゼは護衛に守られ逃亡を余儀なくされました。
          

          

           

           

3つのホームに降りてみましたが、やはりどこも ロシアやウズベキスタンほど豪華な装飾ではありません。

地下鉄を降りて外に出てみました。
          

駅の近くで開かれていた朝市を覗いて見ました。
          

          

地下鉄に乗る話を聞き、ガイドのタムナさんが心配そうな顔をしていたのを思いだし、自由時間はまだまだありますが、地下鉄の冒険は早めに終え、自由広場付近を歩くことにしました。