ベネルクス三国の旅  4日目前編  ルクセンブルク

今日も観光日和。早速ルクセンブルクの旧市街の観光に出発です。

                         

ルクセンブルク市:その古い街並みと要塞群
ルクセンブルク大公国の国土は、神奈川県ほどの小さな国です。
その首都ルクセンブルク市の旧市街と要塞が1994年世界遺産に登録されました。

由来は963年、ボックフェルゼンと呼ぶ岩山に建設されたルシリンブルク=小さな城。もともと断崖の上にあった天然の要塞に、14〜15世紀に長大な「ヴェンツェルの環状城壁」が築かれ領土も拡大しました。しかし、1443年にはブルゴーニュに占領され、その後スペイン、フランス、オーストリアなどの大国が支配。その間、全長約20kmにわたるカズマット(地下道要塞)も巡らされ、やがて「北のジブラルタル」と呼ばれる堅固な要塞都市になっていきました。
ボックフェルゼンの岩山におかれた威容を誇る要塞(ボックの砲台)や、16世紀に建てられたスペインとイスラムの建築様式が融合した大公宮殿、ゴシックとルネサンス様式を組み合わせ17世紀に建立されたノートルダム大聖堂など、旧市街に残る統治国の建造物がこの国の波瀾の歴史を物語ります。1815年にはルクセンブルク大公国として独立。1867年には永世中立国となり要塞は取り壊されていきますが、1948年に永世中立を放棄します。現在ある要塞が歴史の証人として残されることになりました。

第二次大戦後は鉄鋼業などで潤い、現在は欧州投資銀行などの金融関連機関が集中し、EUを代表する金融センターとして繁栄。欧州の中心に位置します。

かつては戦略の拠点として大国に翻弄されたルクセンブルク。「侵略の歴史」がつくり上げた堅固な要塞都市はこの小さな国を護り続け、今では欧州屈指の裕福な国へと発展しました。

憲法広場
渓谷に突き出る所に位置する小さな広場です。
中央の金色の女神をいただく塔は、第1次世界大戦時の戦没者慰霊塔です。
この塔は、1923年に建てられた後、ナチスドイツの占領の際に破壊されましたが、第二次世界大戦後の再建によって現在の形に修復されました。
                戦没者慰霊碑          慰霊碑の上には黄金の女神像
                         

アドルフ橋
ペトリュス渓谷に架かる高さ46m、長さ84mの橋。新市街と旧市街を結んでいます。
19世紀末から20世紀にかけて建造された石橋からは、欧州投資銀行、欧州石炭共同体の建物が見えます。
          

          

ノートルダム大聖堂
17世紀初めに建立された、ゴシックとルネッサンス様式を組み合わせた壮麗な建物です。
ルクセンブルグ市で最も格式のある寺院で、先代大公とベルギー王女が、婚礼式を挙げたところです。
          

聖堂内では御ミサが行なわれていました。
          

太い柱に彫りこまれたレリーフはヨーロッパの代表的ゴシック建築で作り上げたのですが、建設に長い年月がかかったので、ゴシック様式を基本にしながらも、ルネッサンス様式など時代毎の傾向が織り込まれています。
                    パイプオルガン         柱
          

20世紀になって拡張されたため、二箇所の入り口がありました。聖母マリアを奉ってある入り口から中に入り、出る時はもう一つの入り口?から出ました。
こちらの入り口には木で出来た装飾がありました。今までにあまり見たことが無い装飾です。
                            

          

大公宮殿  
1418年に建てられ、一時は市庁舎としても使われていたが、火災に遭い1573年に再建されました。 大理石を使用し、小塔を載せているほか、幾何学模様をあしらった正面ファサードに特徴があります。幾度もの所有者が替わり、 1891年より大公宮殿となったもので、建物正面右側は、国会議事堂となっています。1895年から宮殿として使用されていますが、現在はレセプションのみに使われているそうです。 大公一家はここから少し離れた所にお住まいだそうです。
          

大公宮殿から旧市街の細い道に入り歩いて行きます。
          
突然美しい景観が広がりました。眼下にはポック砲台が見えます。
ボック砲台
963年、アルデンヌ領主ジークフロイド伯爵がこの地に小さな要塞を築いたのがルクセンブルクの始まりです。18世紀にオーストリア軍がボックと呼ばれるこの断崖絶壁の下に地下要塞を建造しました。 張り巡らされた地下通路は全長26Kmもありましたが、現在20Kmほど残っているそうです。時間があれば 是非とも地下に入って見たかったのですが残念! 

アルゼット川が流れるグントの街並みや崖のすぐ下に建つサン・ジャン教会などの絶景を堪能しました。
                    高台から撮した「ボック砲台」
          

          

                          
また、川の向こうの丘の上の新市街にはヨーロッパセンターや欧州議会事務局、欧州裁判所などのEU欧州連合の重要な組織の入るビル群がのぞまれ、小国ルクセンブルグEUの中で重要な位置を占めていることがうかがわれます。 
          

アルム広場
広場の周りにはカフェやレストラン、お土産屋さん、その一角には市庁舎があります
                            市庁舎
          
ブティックも沢山ありました。ヨーロッパは今セールの期間中です。自由時間の後の集合時にはツアー参加者のお土産の袋が増えています。
          

         

美しいルクセンブルク世界遺産を観光したあと、南ベルギーのアンデンヌ地方に向かいます。