イスラエルの旅  2日目後半  アッコー →ティべリア

カイザリアを後にして1時間ほど北上します。途中テルアビブ、エルサレムに次ぐ第3の都市のハイファを通りました。ハイファは港町として発展し、現在は学問の街、ハイテク産業の街としてその名を知られるようになったそうです。

そのハイファの港の向かいに位置するアッコーは、紀元前16世紀には港湾都市として機能していたという古い街です。十字軍、マムルーク朝オスマン朝などに繰り返し支配されてきた歴史ある街です。イスラエル独立後も、イスラエルに残ったパレスチナ人が多く定住し、人口のおよそ3分の1を占めています。

アッコ―旧市街(2001年世界遺産登録)
アッコーの歴史は紀元前20世紀頃にまで遡ります。紀元前16世紀にはフェニキア人の港湾都市として繁栄しはじめ、紀元前14世紀頃のアマルナ文書と言う古代エジプトの外交文書にもアッコーという名が出てきています。

地中海の港を持つアッコーは、交通網という面でも軍事という面でも重要な町として、十字軍、マムルーク朝オスマン朝などが繰り返し支配することとなりました。1799年にはナポレオンがこの町の攻略を試みましたが、結局攻め落とせず失敗しました。

旧市街は地上にオスマン帝国時代の各種建築物が残っているだけでなく、地下により古い十字軍時代の大規模な遺構が現存していることが確認されています。

地下に広がる十字軍の町
旧市街を取り囲む城壁の内側に十字軍の町の入口があります。町は12世紀ごろの物です。
          

          

          

                        

地下要塞の脱出トンネルを抜けると、お土産屋さんに通じていました。
          

                       

一般の人々が利用するバザールを見学しました。アーケードの中、両側にびっしりと店がたち並んでいます。食料関係の店が多く、魚や野菜が豊富にそろっていました。
ここはアラブ人地区なので、コッシェルではダメなエビ・カニ・貝類・イカ・タコなども魚屋にも置かれていました。
          

          

城塞都市なので、いろんな国との攻防の歴史もありますが、旧市街はアラブ人地区になっていることもあって、エルサレム建国前の、ユダヤ人もアラブ人もキリスト教徒も仲良く暮らしていたころの町の雰囲気も、わりと残っています。

イスラエルには、徴兵があります。 18歳もしくは19歳から徴兵され、男子3年間・女子2年間。その徴兵が終わっても引き続き、1年に一回補充兵士として、徴兵されるそうです。
町の中で兵士の姿を多く見ました。お願いすると快く一緒に写真に入って下さいました。
          

          
城壁
旧市街をぐるりと囲む城壁は、十字軍、オスマン朝、英国がそれぞれの先住者が造ったものを土台に増築していったものです。
          

          

アッコ―観光の後今日の宿泊地ティベリアに向かいます。
ホテルに到着。ホテルからは高台にある住宅の美しく輝く明かりが見えました。
          


輝く明かりを見ながらユダヤ人の定義を考えていました。
ユダヤ人について事前に調べていったものの、日本に住む私には「ユダヤ人とは・・」いくら考えても感覚的にわからないのです。

ガイドさんに伺うと「ユダヤ人を母とする者またはユダヤ教徒」ということでしたが、そのことを伺ってもよく理解できませんでした。

世界大百科事典 第2版の解説によると
ユダヤ人とは誰か」という定義問題は、イスラエルの歴史に長い影を落としてきたようです。1950年制定の帰還法は、すべてのユダヤ人にイスラエル移住の権利を与え、ユダヤ人とは「ユダヤ人を母とする者またはユダヤ教徒」と定義しています。しかし、個別のケースをめぐる法的紛争が絶えないようです。イスラエルユダヤ人はアシュケナジームとセファルディームに二分されるとも言われています。前者は欧州、後者はアジア、アフリカの出身者とその子孫である。イスラエル建国までのシオニズムの担い手は前者であり、後者の大半は建国後にイスラエルに移住してきました。両者間の経済・社会的な格差が政治問題となっている。所得や社会的地位は低いが出生率の高いセファルディームの発言力が上昇しつつある。とあります。

大辞林 第三版の解説によると
ユダヤじん【ユダヤ人】
ユダヤ教を信仰する人々。古代ではパレスチナに居住していたイスラエル人の子孫がこれにあたる。早くから世界各地に離散,ローマ帝国によるエルサレム破壊後,離散はより拡大。キリスト教徒による社会的差別を受けた。19世紀末,シオニズム運動がおこり,第二次大戦後にイスラエル共和国を樹立。 とあります。

明日のガリラヤ湖畔観光が楽しみです。