ブータンの旅  ウォンディフォダンのツェチュ祭  プナカ・ゾン  チミ・ラカン

3日目
今回のツアーではブータンの秋の二大祭り ウォンディフォダンのツェチュ祭とティンプーのツェチュ祭を見学します。

今日はウォンディフォダンのツェチュ祭を見学します。街の規模は小さいですが、ウォンディポダンはブータンの東西を繋ぐという重要な役割を持っている場所です。

ツェチュとは
ツェチュとは本来「月の十日」を意味します。ブータンでは仏教を広めた師僧達の存在は釈迦と同じ位重要です。特にヒマラヤ地方に仏教を伝えたパドマ・サンババはグル・リンポチェとして今も敬愛されています。彼の布教を再現し、その威光と悪霊達に再確認させるための法要が「ツェチュ」です。お祭りではグル・リンポチェの伝承をたたえる仮面舞踏が披露されます。
ブータンの寺院やゾンはそれぞれの特定の月の10日に、年に一度の盛大な法要を営みます。

ウォンディフォダンのツェチユ祭が行われているお祭り広場に到着しました。
2012年に火災によりゾン(城)が焼失したため広場でのお祭りです。
広場には大勢の人々が正装で集まっていました。
通常5日間にわたって行われる法要の最中には、「チャム」と呼ばれる仮面舞踏が僧侶により演じられます。
村人の素朴な民族舞踊なども行われます。
ドゥルダ・チャㇺ(骸骨の舞)とギンダンツォリン(邪悪な気を清める舞で、太鼓を叩く)を見ることが出来ました。
          
          
          
          
ツァラ
道化役のアッツラは、僧ではなく、村からの代表が選ばれ演じます。
ツァラは仮面を被り滑稽な(ちょっと卑猥な)仕草で人々を笑わせたり、即興演技で祭り気分を盛り上げてくれます。人々が押し合って怪我をしないように統制したり、仮面舞踊で僧の衣装や仮面が乱れた際にさりげなく手伝ったりと、祭の進行役としても大事な役割を担っています。
合間の時間には僧院への寄付金を集めます。

手にはポーと呼ばれる魔除けを持っています。
          
この日ばかりは家族で正装をして、お弁当を持ってお祭りに来ます。
          
ツェチュ祭ではゲームのお店、お菓子やおもちゃ日常品などを売っているお店が出ていました。
          
          

お祭りを見学した後ビレッジレストランで春巻き,エマダツィ等があるビュツフェ形式の昼食を頂きました。
その後ウォンディフォダンからプナカに移動します。

プナカは首都ティンプーよりも東に位置し、かつ標高も低いため、冬は温暖で1955年までは「冬の首都」として冬の間だけ、寒冷なティンプーに代わって首都の機能を果たしていました。

プナカ・ゾン
プナカ・ゾンは二つの川の合流点、ちょうど川に挟まれるように建っています。
このプナカ・ゾンは1634年に建てられ、チベットからの侵攻を防衛する上で、重要な役割を果たしてきました。
水害や地震火災の被害を受け何度も増改築されています。
          
道路から橋を渡って入ります
                   
プナカゾンの入り口。
そそり立つ急な階段を上って、ゾン内部に入ります。
この入り口の奥に宿坊や講堂、本堂が広がります。
          
ゾンに入ったところにある絵
絵に描かれている老人は不老不死、鹿は平和、鳥は自由、木は成長、石は安定のシンボルだそうです。
          
大きなマニ車
マニ車ブータン国内のお寺に必ずといっていいほど設置されている円筒状もので、1回回すことにお経を1回読んだこと(徳を積んだこと)になります。
          
本堂
          
菩提樹の後ろには大きな塔があります
          
チミ・ラカン
ブータンの首都・ティンプーから東にあるプナカのロベサという村には子宝の寺院として有名なチミラカンがあります。
棚田が広がる丘の上にチミラカンはあるので、民家の横を通り、田んぼのあぜ道を30分位歩いて、なだらかな丘を登ります。
          
棚田は一面黄金色
          
幼いころ畦道を歩いた経験はあまりない私なのですが、とても懐かしい気持ちになりました。
          
          
チミ・ラカンは、15世紀のチベット仏教の聖者と称されるドゥクパ・キンレイに縁があるお寺です。
風変わりな聖人で、衣をまとわず修行をしながら各地を転々とし、数々の逸話が残されています。
チミ・ラカンのチミとは「犬が亡くなった場所」、ラカンはお寺の事を意味しています。犬に姿を変えた魔物が亡くなったのがこの場所だそうです。
          
          
白い旗がたなびいているのをブータンでは良く見かけますが、これはダルシンと言います。
ダルは旗、シンは木を意味します。
経文を書いた幅50㎝くらいのダルシンはヒマラヤの麓に眠る神秘の王国ブータンの祈りの旗です。
農家の裏の空き地や小高い丘、寺の境内に立てられたダルシンは、風にのせて祈りを天に送ります。
「オンマニペメフム、オンマニペメフム、すべての衆生が輪廻の輪から解放されますように」。
この祈りが風にのり、ブータンの青い空に山にながれるのです。

          
小坊主さん熱心にお経を唱えていました。ゾンに暮らす小さな子小坊主さんもいますが、ゾンに入る前にチミラカンのような規模の小さなお寺に入ってから、ゾンに移動するケースも多いそうです
          
チミ・ラカンは、15世紀にドゥック派の僧侶により建立されたお寺で、子宝のお寺として知られるようになったのは後のことです。おそらくドゥクパ・キンレイの逸話に基づき、だんだんと赤ちゃんを授かるお寺として浸透していったのでしょう。
          
畦道を通って来た道を戻ります。
          
チミ・ラカンの近くですのに、犬が沢山いました。
          
チミ・ラカンを見学した後昨日通ったドチュ・ラ(ドチュ峠)を越えティンプーに向かいます。
この日は幸運にもブータン最高峰のガンカフンムスを見ることが出来ました。

ブータンの政治と宗教を司る国の中央政府タシチョゾンのライトアップはとても綺麗でした。
明日はここの広場で行われるツェチュ祭を見学します。
          
夕食は名物料理モモ(ブータンの餃子)とチュル(川海苔のスープ)を頂きました。