ブータンの旅   ティンプーのツェチュ祭

4日目
今日はブータンの首都ティンプーのタシチョゾン(中央政庁)広場で行われるツェチュ祭に行きます。
宿泊のホテルぺリングを9時に出発。タシチョゾンまではバスで25分。到着すると既にツェチュを見るため
着飾った人々が列をなしていました。
          
お祭りは男女の出会いの場所でもあるようです。入場は男女別々にセキュリティーチェックが行われました。
反対側に並ぶ男性が好みの女性を見定めている様子を微笑ましく、しっかりチェックしてきました。
田舎では今も夜這いの風習が残っているそうです。お祭りの日などは良い機会だそうです。
ガイドさんがためらいもなく説明するほど、おおらかなブータンの風習のようです。
          
会場の広場は座る場所を探すのも大変なほどの混みよう。
          
ドゥルダ・チャム(骸骨の舞)が行われているところでした。
          
          
お祭りには皆最高に着飾って来ます。綺麗に着付けをした可愛い女の子が写真を撮ってとポーズを決めてくれました。本当に可愛い!
          
          
明日行われる予定のお祭りのクライマックス,ラクシャ・マンチャム(閻魔大王の裁き)が急きょ今日行われることになりました。超満員の会場、炎天下で、すでに長時間お祭りを見ていたのですが、「閻魔愛王の裁き」を見逃すわけには行きません。
何時に行われるかは、ガイドさんや旅行社等誰にも知らされないそうです。混雑の中、長時間の見学で疲れているものの、今か今かと閻魔様が出てくるのか期待しながら待つこと、待つこと。

前に座っているブータンの子供が、自分の持っているスナック菓子や飴をすすめてくれました。
ブータンの子供たちは決して観光客に物をねだったりしませんでした。
キラキラした笑顔で、はにかみながら無邪気にすぐになついてくれて本当にかわいい!

いよいよ閻魔様の登場です。
          
          
ラクシャ・マンチャムは閻魔大王の裁きの場面を表現し、因果応報の教えを説くチャム(仮面舞踊)です。
善人と悪人が閻魔大王の裁きを受け、死後の行き先を決められる様子がダイナミックに繰り広げられました。長時間待って観たかいがありました。
          
タシチョ・ゾンツェチユ祭の開催場所でもあるタシチョ・ゾンはブータンの政治と宗教を司る県庁です。お祭りの合間に見学に行きました。タシチョゾンはブータンで最も重要なゾンで、国王の執務室があります。ゾンなどの正装が必要な場所では、男性はカムニ、女性はラチュをつける必要があります。
カムニ、ラチュー、カダの事。
ブータン人が高僧や政府の高官と面会するとき、ゾンの中に入るとき、公務員が役所で仕事するときなどでは、民族服の上に男はカムニ、女はラチューを着けることが作法となっています。

カムニは幅80cmぐらい、長さが4メートルぐらいの布で左肩と右の裾の間を身体に斜めに巻きつけます。布の色は公的な地位によって異なり、国王はサフラン色(明るい黄色)、大臣はオレンジ色、ダショーは赤などと決められています。普通の人は白です。
ラチューは細長い主に赤系の色の布でそれを横方向に2つ折りにし、幅10cmぐらいにして、左肩に背中と前の胸に跨って垂れ下がるように掛けます。
カダは タオルぐらいの幅で、長さは2、3メートルある細長い純白の絹布で両端が房状になっています。冠婚葬祭に客として訪問したとき相手方に渡します。国王や ジェ・ケンポに会うとき最初にカダを献上します。新大臣が指名された後、部下となるその省の人々が、大臣への就任を祝って、次々祝辞を述べながらカダを献 上する祝賀行事が行われます。

ガイドさんに伺うとカニムの色は8種類位あるそうです。
県庁などに長い事勤務すると、色も変わると教えて下さいました。
赤いカニム(貴族)、緑のカニム(裁判長)、赤と白のカニム(副県知事)の姿を見ることが出来ました。

          
          

閻魔大王の裁きが行われるのを見学したため、昼食は3時になってしまいました。
昼食はインドのカレーを頂きました。
          

昼食の後は製紙工房
こうぞの加工と紙すきを見学しました。
こうぞを煮ているところ
          
この工房は日本人の技術協力を受けているので日本と同じ手漉き法です。
もともとブータンは製紙が盛んで輸出もしているそうです。
          
売店には植物がすき込まれた素敵な紙などが販売されていました。

メモリアルチョルテン
1973年に亡くなった3代国王を記念して2代目国王妃の発願建てられた仏塔形式の寺院です。3層に分かれた内部の中央には、忿怒形の歓喜仏による立体曼荼羅が繰り広げられています。壁側の階段を螺旋を描くように上りながら拝観します。
          
          

クエンセルポダンの大仏高さ51mの大仏はまだ未完成です。シンガポールと香港の億万長者が奉納したもので、総工費80億円以上だそうです。とにかく大きかったです。
        完成時には蓮花座内部が3層の寺院になり、様々な仏像が安置される予定です。
          
夕食は宿泊のホテルで   
ブータンの名物料理のパクシャパ(大根と豚肉の煮込み)等を頂きました。