北欧の旅  ベルゲン

5日目 後半(2)
ベルゲン
ノルウェー語で「山の牧場」という意味を持つベルゲンは、1070年にオーラヴ・ヒッレ王 によって拓かれ、
12世紀から13世紀にかけてはノルウェーの首都でした。
14世紀から15世紀にかけて、北海周辺諸国の商業発展を目指したハンザ同盟に加盟しドイツからやってきてこの地に住みついたハンザ商人たちの統治下で、ベルゲンは北ノルウェー産の干し鱈の輸出によって急速に発展し、17世紀のハンザ同盟の終焉に至るまでの400年にわたって隆盛を極めました。ベルゲン港にある
ブリッゲン地区は、当時の姿をありのままに留める貴重な建物として、世界文化遺産に登録されています。
ハンザ同盟の解体以後、ベルゲンはドイツ人の支配を離れ、自国民によって国際市場に進出し、漁業に加えて造船業や手工芸に力を入れ、現在ではノルウェー最大の港湾都市となっています。
        

        
グリーグの家見学の次はフロイエン山の展望台からベルゲンの街を一望します。

魚市場を通り、そこから徒歩2〜3分のところからのケーブルカー乗り場に向かいます。

魚市場
フィヨルドが流れるベルゲンの港沿いの魚市場には多くの露店が並び、新鮮なノルウェーサーモンやエビ等が並んでいます。

ノルウェーでは魚卵のことをキャビアと呼びます。チョウザメの卵である本物のキャビアはあまり見る事はありませんでしたが、チューブ状や瓶づめのたらこ等の魚卵が沢山並んでいました。
        

        
干タラもありました。
        
魚だけでなくヘラ鹿・ 鯨・トナカイのサラミを売っているお店もあります。
        
フロイエン山
フロイエン山山頂の展望台は、ベルゲンの街が一望のもとに見渡せる必見のスポットです。
ケーブルカーは、秒速3mのスピードで、標高320mの山頂までの830mを(最大斜度26度)約7分で登ります。
このケーブルカーはフロイエン山の斜面の住宅地の人々の足でもあります。
                    
        
フロイエン山頂 
        
                                    
山頂の展望台からは、美しい町並みやヴォ―ゲンワンが一望できました。
        

        
山頂のケーブルカーの駅舎
        
ケーブルカーは下りの乗客が降りたところで上りの乗客が乗ると言う方式で運行されています。
頂上の駅舎の上には ケーブルカーの運行状況を伝える動くケーブルカーの模型がみえます。
        
山頂駅の広場には小さな遊園地があり、そのそばに天狗鼻とシッポを持つ巨大なトロール人形が置かれていました。
        
ブリッゲン地区
ノルウェー第二の都市、ベルゲンにある「ブリッゲン」地区は、12〜13世紀には首都として、その後、ハンザ同盟の拠点として繁栄した港町です。
ハンザ同盟時代の名残を残す歴史的な建築郡として、1979年にユネスコ文化遺産に登録されました。
港に面してびっしりと立ち並ぶ切妻屋根の建物は、ハンザ商人たちが建てた商館です。
建物は、間口が狭く奥行の深い造りが特徴で、港に近い建物から倉庫、事務所、住居と続いています。
建物と建物の間の細い路地が板張りになっているのは、商人が買い付けた干しダラを台車で運びやすくするためです。
        
古い建物であるだけに、歪んだり、傾いたりしているところがあり、お互いに支え合って共存しています。
現在は表側にレストランやブティックがあり、奧は芸術家たちの工房として使用されています。

正面から見ると建物の傾きがよくわかります。
これは、ここ20〜30年急速に地盤が沈下しているためだと言います。

その為ノルウェーに古くから伝わる 隙間に大きな瓦礫を敷き詰め、降雨時や高潮時には水がすぐに浸透できるようにする伝統的な工法で基礎を固める修復工事が試みられているそうです。
この方法は木造の路地にも使われているそうです。

この歴史ある美しい街並みが後世に受け継がれることを願いながら、傾いた家を見学しました。
        
ブリッゲン内部は、木造の建物同士が迷路のように入り組んだ構造になっていて、建物と建物の隙間から、自由に出入りが可能です。
建物と建物の間の細い通路を、奥へとずっと歩いていくと、巨大な木彫りの干ダラの置物がありました。干ダラがベルゲンの産業を支えていたことが象徴されています。干ダラの置物の右隣には「祈りの井戸」と呼ばれる石の井戸があり、内部にはオーラブ5世の紋章のモノグラムが彫られています。井戸の中に自由に硬貨を投げ入れることができ、集まったお金はブリッゲンの復元作業のために使われています。
        
ブリッゲンの奥には、芝生が生えている小さな広場があり、そこに白色の壁でできた建物がありました。
1666年に建築された、ブリッゲン内で最古の建物です。
現在はアートスクールとして使用されています。
        
狭い家屋の間を進むと内部は迷路のようになっています。
この建物の一部は昔干ダラの倉庫となり、窓からの滑車を使用して、2階から地上への、干ダラの上げ下ろしも行なわれていました。
今でも昔ながらに窓から滑車を利用して荷物の揚げ下ろしをしているそうです。
                       
木造という建築構造上、火事に何度か遭いましたが、その度に修復・復元。
ハンザ同盟時代の名残は今でも建物のあちらこちらに残っています。

宿泊したホテル ファーストマリーンホテルは 市の中心部、魚市場から徒歩圏内に位置するホテルです。
観光するのにとても便利な所にあります。
                  
夕食はサラダ・ポーク料理
            
次の日 朝早く起きて出発までの時間 付近を歩いて見ました。

マリア教会
12世紀前半に建立されたロマネスク様式の教会で 、ハンザ商人たちも通ったベルゲン最古の教会です。
今回は朝早かった為 中を見ることは出来なかったのですが、内部の説教壇の装飾が美しく、ノルウェーバロック風装飾の最高峰といわれています。
        
ローゼンクランツの塔 
1560年代に、ベルゲンの領主であったエーリク・ローゼンクランツが要塞と住居を兼ねて建てた塔。それ以前に建てられた城塞も中に組み込まれています。
早朝だったので建物内部には入れませんでしたが 敷地内を歩いて見ました。
        

8時40分発の飛行機でストックホルムに向かいます。