北欧の旅  ストックホルム     (ストックホルム市庁舎)

6日目 
午前8時40分発フィンランド航空0644便でスウェーデンの首都ストックホルムに向かいます。 

ストックホルムは約76万人が暮らすスウェーデン最大の都市です。

13世紀中頃、スウェーデン東部のメーラレン湖の東にあるスタツホルメン島に砦が築かれたのが始まりで、戦闘に備えて島を囲むように丸太の柵が巡らされていたために、丸太(ストック)の小島(ホルム)を意味する「ストックホルム」と呼ばれるようになったといいます。
都市の始まりとして築かれたスタツホルメン島は、現在はガムラ・スタン(旧市街)と呼ばれ、王宮や教会など、中世に建てられた歴史的建造物が建ち並んでいます。

ストックホルム市庁舎
1時間15分ほどのフライトで、ストックホルム空港に到着。早速専用バスに乗って、市内観光です。最初に訪れたところは、ノーベル賞の受賞祝賀会が開かれるストックホルム市庁舎。
ノーベル賞の記念晩餐会が行われる場所であり、ナショナル・ロマンティシズム建築の傑作としても知られています。
建築家ラグナル・エストベリの設計により、1909-1923年に建設されました。メーラレン湖に面した立地で、ヴェネツィアドゥカーレ宮殿を意識し、さらにヨーロッパ各地の名建築からインスピレーションを受けた折衷的なデザインです。
この建物は日本でも早稲田大学の大隈講堂に影響を与えました。
                  
リッダーホルム側より写したストックホルム市庁舎
        
[青の間]
市庁舎の中庭から内部に入ると、ブルーホールと呼ばれる大広間があります。
ここは毎年アルフレッド・ノーベルの命日(12月10日)にノーベル賞の授賞式が開かれる場所です。
大広間と言ってもここに約1300人が集まるのでひとりに与えられるスペースはわずか幅60cmとか。
        
壁を青く塗る予定だった「青の間」は、赤レンガがあまりに美しかったため、赤いまま残したそうです。100万個の赤レンガの壁面は凸凹になっていて、光と音が柔らかく反射・反響するように設計されています

大階段は幅広で高さが低いのですが、これは女性がイブニングドレスで降りるときに美しく見えるように考慮して設計されたものです。階段の正面の壁の星印を見ながら降りると、ドレスでも綺麗な姿勢で降りられるとの事です。
                  
このホールには1万本のパイプを備えるヨーロッパ最大のパイプオルガンがあります。
        
[市議会の議場]
二階には、ヴァイキングルネッサンス様式といわれる天井を持つ市議会の議場があります。
注目は天井です!ヴァイキング船の船底のような形をした天井には教会や草花などが描かれ、彩色が施されています。

ヴァイキングルネッサンス様式で作られたこの議場では,月に2度,市議会の討議会が行われます。
ストックホルム市議会議員101人中過半数が女性です。国会議員の男女比もほぼ同じです。
スエーデンはデンマークと同じように議員は「政治家」とは別にそれぞれの「職業」をもっています。政治家としての給料は、公的な会議へ出席した「時間」で計算されるそうです。
        
[黄金の間]
二階には黄金の間があり、壁面は1900万枚の金箔を使ったモザイクで飾られています。             
このホールは、ノーベル賞受賞祝賀パーティの舞踏会会場として使われます。

メーラレンの女王 
この部屋で目を引いたのは 正面のメーラレン湖の女王と飛ばれるEinar Forseth作のモザイクの壁画。荘厳な黄金の間には、少々似つかわしくない感じがします。

女王に向って左側には西の国々の寓意、右側には東の国々の寓意が描かれています。
女王の頭上に輝く太陽は白夜を表しているらしいのですが・・・

これを描いた作者は一人で制作を進め、完成当日まで誰にも見せなかったため、取り返しがつかなかったとか・・・・・・・・
        
見学を終えて中庭に出ました。
一般市民の募金から調達した資金で建設された市庁舎には,ファザード部分だけでも800万個のレンガが使われています。
        
ノーベル賞の授賞式が開かれる市庁舎内を身が引きしまる思いで見学した後 久しぶりの青空を見上げると、とても清々しい気持ちになりました。
                 ツタが絡まった中庭入口