ノイエギャラリー

ニューヨークに来る時のANAの機内でみた映画、「黄金のアデーレ名画の帰還」に感銘を受けました。
返還された名画がニューヨークのノイエギャラリーに展示されていると知って、滞在中に是非とも行きたいと思っていましたが、やっと先日実現しました。

映画のあらすじ
世界で最も高額な絵画の一つであるクリムトの「黄金のアデーレ」の所有権を争った実際の裁判をもとに描かれた映画。
オーストリア政府所有でウィーンのベルベデーレ美術館に飾られてきた「黄金のアデーレ」の正当な持ち主と主張して国を訴えたのはアメリカ在住のマリア・アルトマン(82歳)だった。彼女は幼い頃、オーストリアの裕福な家庭で育ち、 両親は芸術を愛し、家には多くの芸術家が出入りしていた。
画家のクリムトが彼女の伯母アデーレをモデルに絵を描いたのが「黄金のアデーレ」。
だがそこにナチスドイツが侵攻。ユダヤ系だった彼女の一家は当局にマークされる。
家には常にナチス憲兵が常駐し、私財はすべて没収された。
マリアは病身の父と看病する母を置いて国を出る決意を固め、 結婚したばかりの夫と共にスイスに逃亡し、そのままアメリカに移住していた。
その間、伯母のアデーレをモデルに描かれた例の絵はナチスの役人が没収、 「黄金の女」というタイトルでオーストリアの国営美術館に収蔵されていた。彼女の伯母が肖像画に描かれたアデーレであり、第二次世界大戦中にナチスに略奪されたと語り、オーストリア政府に返還請求をした。

数奇な運命を辿った名画に秘められた真実の物語がここに明かされる。深い喪失から立ち上がった一人の女性が、国を相手に奇跡を起こす希望あふれる感動の実話。

         

         
ノイエギャラリーへ
ノイエギャラリーはニューヨークのアッパーイーストにある、2001年に出来た4階建てのこじんまりした白亜の素敵な建物のミュージアムです。
20世紀初頭のオーストリア、ドイツの美術品が展示されています。
         
ドアマンがいてヨーロッパの御屋敷のような雰囲気。
         
螺旋階段で2階に上がると 待望のクリムトの『アデーレ・ブロッホ=バウワーの肖像画』が展示されていました。
         
138㎝×138㎝の作品を前に映画のシーン1つ1つが蘇ります。
第二次世界大戦中にナチス・ドイツ軍が強奪した美術品は膨大にあるそうです。その中には消滅した美術品や未だに所有者に返還されていない物が存在します。「黄金のアデーレ」も個人宅からドイツ軍に強奪されオーストリアの美術館展示されていました。

クリムトには黄金の時代と言われる金箔を使って作品を装飾した時期がありますが、この作品も黄金の時代の作品です。日本の金箔障壁画の影響があるのでしょうか。

マリア・アルトマンに返却された後、この作品は2006年にロナルド.S.ローダー氏(化粧品会社エスティ.ローダーの子息)に$135ミリオン(当時156億円)で売却されました。この金額は当時世界最高落札価格だったそうです。

2階にはこの他にクリムトの作品 『踊り子』『黒い羽毛の帽子』『アッタ―湖畔ビァイセンバッハの森番の家』『カンマ―城の公園』『高いポプラの木』等数点が展示されていました。

映画を観なければ、1枚の絵が辿った歴史を知ることは出来ませんでした。


絵画を楽しんだ後は、ギャラリーに併設されているカフェ・サバスキーでランチと、娘とランチ、お茶を楽しみました。ヨーロッパの雰囲気を漂わせたとても心地の良いカフェです。
こちらでは正統派ウィーン料理とケーキを頂くことが出来ます。

ランチの後 お店のスタッフお勧めのヘーゼルクリームが入ったクリムトトルテを頂きました。
         
         
■ Neue Gallerie(ノイエ・ギャラリー)
住所:1048 5th Avenue (at 86th Street) New York
時間:木〜月 11時〜18時、
休館日:火・水
入館料:20ドル
■ Cafe Sabarsky(カフェ・サバスキー) 
時間:月、水 9時〜18時、木〜日 9時〜21時
定休日:火