キューバの旅  トリニダー

4日目  1 
今日も良いお天気。キューバは9月は雨期ですが、旅行中ずっとお天気に恵まれています。
               宿泊のホテルの部屋から見た朝日
        
ホテルを出発。ロスインへ二オスに向います。

ロス・インヘニオス渓谷
「ロス・インヘニオス渓谷」には、植民地時代の18世紀末から19世紀にかけて、大規模なサトウキビ農園が広がっていました。
1512年、キューバにやってきたスペイン人たちは、この島に砂糖を持ち込みます。
砂糖による交易は、この地方を豊かにさせ、彼らは繁栄を享受しました。
18世紀末から19世紀にかけて、キューバの砂糖は世界一の生産量を誇ったそうです。

当初、労働者としては、先住民が奴隷として使役されていましたが、ひどい扱いと旧大陸から持ち込まれた病気により絶滅させられてしまいます。
そこで、スペイン人たちは、アフリカから黒人奴隷を輸入し、働かせるようになったのです。
現在、キューバにいる黒人系の人たちは、この時連れてこられた黒人奴隷の末裔です。
奴隷制が廃止されたのは1820年のことです。

当時、渓谷には50以上の製糖工場があり、約3万人もの黒人奴隷が工場やプランテーション農場などで働かされていました。

サトウキビの谷という事ですが、サトウキビも全く見当たらず、今はその名残もありませんが、ここに連れてこられた奴隷達が過酷な労働を強いたことを想像しながら、爽やかな風が流れる大自然を複雑な気持ちで眺めました。

1988年 ロス・インヘニオス渓谷は近隣のトリニダとともに、ユネスコ世界遺産リストに登録されました。
        
渓谷の見学の後は砂糖キビ農場主「マナカ・イスナガ」の住居跡を目指します。
        
塔に行くまでの道にはファゴッティングのレースのテーブルセンターなど手作りの物が売られていました。
        
        
塔が見えます。イスナガ一家の住居跡です。現在はレストランとして利用されています。
        

        
奴隷を使い巨万の富を得たイスナガ夫妻は6人の子供をもうけました。 夫が他界後未亡人となった婦人はドイツ人の砂糖王カンテローと再婚。 新たに生まれた子供達と共に昨日見学した 今はカンテーロ博物館になっている邸宅で豊かな暮らしを営みました。
        

イスナガ一家は、1835年に邸宅のすぐ近くに渓谷を一望できるこの塔「マナカ・イスナガの塔」を建てました。
塔は奴隷を見はるのに使われ、各階にあった鐘で奴隷に合図を送っていたそうです。
当時、この塔はキューバで一番高い建物だったそうで、イスナガ家の権勢を見せつける意味合いもあったのだと言われています。
塔の高さは45.5m、7階建てで塔の上までは136段の階段を上ることが出来ます。
        
奴隷制が廃止されたのは1820年のことですが、19世紀に独立戦争が起こるまでプランテーションは存続し、その時になってようやく製糖工場は停止され、放棄されることとなりました。

この後バスで約2時間の サンタ・クララへ向かいます。