キューバの旅   再び ハバナ

6日目  3
ハバナに戻ってまいりました。
これからキューバ人のお宅訪問です。

一般民間人の家を訪問するのは政府の許可が必要なようですので?キューバ人と結婚している日本人女性R子さんの家を訪ねました。彼女は日本政府の仕事でキューバに来ていた時に旦那さんと知り合い結婚。20年以上もキューバに住んでいらっしゃいます。今は旅行社の社長さんです。
旦那さんはキューバの革命に係っていたそうです。

キューバでは職業によって所得格差があまりない仕組みになっているので、社長と言っても特別なお金持ちではないようですが、それでもR子さん宅は大きな家が立ち並ぶ閑静な住宅街に建っていました。平均的なキューバ人の家よりかなり恵まれた家の様です。

キューバには二重通貨制度という仕組みがあり、外国人が使う兌換ペソ「クック(CUC)」とキューバ国民が使う人民ペソ「カップ(CUP)」の二種類の通貨が流通しています。
外国人が使う兌換1ペソは、人民1ペソの約24倍ですので、観光に携わり外国人から兌換ペソを手に入れる人との間には、格差が出るように感じました。
        
まず外の応接間に通されました。
        
R子さんはお留守でしたが、キューバ人と結婚されているR子さんの会社の方がキューバの生活、現状を詳しく説明して下さいました。

R子さんの家で働くキューバ人の1人は、元砲丸投げの選手だったそうで、砲丸投げのフォームも見せて頂きました。
        
ツアーの中に今月お誕生日を迎えられた方がいらしたということで、手作りのケーキが用意されていて、私達もその恩恵に与りました。
        
キューバでは配給があるものの、ミルクは乳児優先で普通の人はあまり手に入らないそうです。
卵も1か月1人5個の配給なので、ケーキはとても贅沢なものだと思います。
美味しいコーヒーも振る舞われました。
ガイドさんの話で普段家庭で飲むコーヒーはホテルなどで飲むコーヒーとは全然違い豆かすの入ったまずいものだとおっしゃっていましたので、このコーヒーは一般家庭では特別なものかもしれません。
                  
医療と教育
キューバでは医療と教育費は無料です。凄いなと思ったのは、キューバは医療が進んでいますが、国内で出来ない難しい手術をヨーロッパで受けなくてはならない時も無料だそうです。加えて
整形手術も無料とのこと。キューバの女性のきゅっと上がったヒップは魅力的ですが、これも無料で整形手術を受けることが出来るそうです。

給与と生活
教育は無料で受けられますが、学校を卒業すると3年間は安い賃金で働かなくてはなりませんキューバ人の平均月収は3000円と大変低く、年金も少ないので、年金をもらう年齢になっても働かなくてはなりません。しかし配給制度があり、3分の1くらいの値段で必要最低限のものが一部購入できるそうです。住宅も政府が保証しています。
ですので、ホームレスは見かけませんでした。ただし飢えている人がいないけれどもお金持ちも殆どいません。いくら働いても生活が一向に改善しないので海外へ脱出する若者も多いそうです。

社会主義と言っても、最近では家の売買もできるようになったそうですが、自分が住む住宅1軒しか所有してはいけないそうです。

以前は国民の80%以上が公務員でしたが、最近はその数を少なくしようとの政府の考えで、個人経営も認めるようになったそうで、現在は公務員は78パーセントに減ってきているようです。ただ制限があり、例えばレストランを経営しようとしても、50席以上の規模の物は禁止されているようで、大規模な個人経営は許可されていないようです。

お話の後、家の中を見せて頂きました。写真撮影もOKと言われましたが、主がお留守の家の中の様子を撮るのは気が引け下の写真だけになりました。
        

        

        
R子さん宅で伺ったキューバの話はとても興味深く、キューバの一面を知ることが出来ました。

又今回ガイドして下さったオズワルドさんは,流暢な日本語で、キューバの歴史 現状を詳しくお話下さった為、ほとんど知ることのなかったキューバの実情を知ることが出来ました。

その中の一つとしてキューバの交通事情は興味深かったです。
キューバの国内移動は、バス、タクシー、乗り合いトラック、ヒッチハイクがあるそうです。
ヒッチハイクキューバでは交通手段の一つなのです。

街で面白い光景を目にしました。ヒッチハイクをしている人が多くいるのですが
手にお金を持って、通る車の運転手に分かるようにひらひらさせています。この国ではヒッチハイクはタダではないのです。ある意味でヒッチハイクは制度化”されています。

バス停は混雑していて人が乗り切れない時もあり、街角の至る所のバス停では いつ来るかわからないバスを待つキューバ人が大勢たむろしています。このような交通事情の為 仕事に遅れる人も多いそうです。

バスはおもに3種類。
市バス。キューバ人用長距離バス、外国人用長距離バス
外国人用長距離バスは、外国人用通貨支払いで高額ですが キューバ人が乗る時もこの長距離バスに乗る時には外国人が使う兌換ペソで支払わなければならないそうです。

キューバでは、アメリカに輸入制限されていたので、自動車などが入って来ませんでした。そこで、1950年代60年代のアメリカの車が今でも現役で走っていると言うわけですが、車が足りないようです。

最近まで個人によるクルマの売買が禁止されていたので、走っているクルマの多くは国営企業のものです。私有のクルマとはプレートが別の色なので、官民の区別が明確です。

国営企業のものは人民のものだから当然、スペースに余裕があれば乗せてもらう権利があるのでどこででも乗せてもらうことが出来るそうです。

私物のクルマでも、多くのドライバーはヒッチハイカーを乗せてくれる人が多いそうです。街でお札をひらひらさせてヒッチハイクする人がいた理由がわかりました。

キューバの今後
アメリカと国交を正常化したことで これから大きな変化を迎えようとしているキューバ。日本からキューバに行くためには、現在はメキシコ経由かカナダ経由でしか行けませんが、今後アメリカ経由でも行けるようになると観光客も増えるでしょう。
キューバでは日本製のものは街中でほとんど見かけませんでした。走っているバスは中国製でした.旅行中移動に使われたバスも中国製。ホテルのエレベーターは韓国製です。キューバから日米関係を垣間見た瞬間でもありました。

アメリカとの国交が進めば、日本の企業もアメリカに遠慮することなく進出できるようになるでしょう。折しも私達が帰国する次の日 安倍総理キューバを訪れます。

キューバ社会主義体制がこのまま存続するかどうか、どうかは、これから政治的に大きな争点になってくる事でしょう。

アメリカとの国交正常化については多くの人が歓迎している様子でした。
この様なクラシックカーに加え、今後は日本車が見られるようになるかもしれません。
        
キューバの旅ももうすぐ終わりです。

キューバでの最後のお食事を頂くレストランに向かいます。