キューバの旅   最終編  ハバナ

6日目 4
キューバでの最後のお食事はヘミングウェイも良く利用していた「ボデギター・デル・メディオ」で頂きます。

このお店はオールド・ハバナのカテドラルにほど近く1ブロック入った細い裏通りエンペドランド通りにあります。ブロックのほぼ真ん中にあったことから「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」(真ん中にある小さな飲み屋の意)と呼ばれるようになったそうです。
        

                    
「ラ・ボデギータ・デル・メディオ」は、1942年に開店したバー&レストランで、モヒートで有名なお店です。

入り口を入るとカウンターバ―があり人が溢れていました。

カウンターの壁には (わがモヒートはラ・ボデギータ・デル・メディオに、ダイキリはエル・フロリディータに) というヘミングウェイ自筆のプレートが、今も掲げられています。
        
店内の壁は、訪問者のサインで埋め尽くされています。
        
ヘミングウェイだけでなく、アメリカのジャズ・ピアニスト、歌手として有名なナット・キング・コール、チリの詩人で外交官、政治家であるパブロ・ネルーダ、ガルシア。「ラテンアメリカの母」との敬称を受けチリでもっとも尊敬される教育者 マルケス、ガブリエラ・ミストラル(チリの女流詩人、教育者、外交官)など多くの著名人の常連がいました。
        
カウンターの奥は、年代もののテーブルが並んでいて、壁という壁には、ここを訪れた人のサインで埋め尽くされています。「サインペンを持ってくれば良かった!」とツアーの方々の声
        
二階への階段の壁にもサインがいっぱい。
        

        
奥にはヘミングウェイが座っていた椅子が飾られていました。

ヘミングウェイのサイン入りペーパー・マットとモヒート。
        
モヒートはミントの葉をグラスに入れ少し潰し、シロップ、ハバナクラブ(ラム酒)とライムジュース、氷を入れて作ります。さっぱりしていて飲みやすい。

お料理はどれも美味しかった!
キューバに来て初めてここで新鮮な美味しいサラダを頂きました。牛肉の煮込みも最高!
        

        
お食事が終わった頃には、あたりは暗くなっていました。
        

        
これから空港に向かいます。トロント経由で日本に。羽田に着くのは次の日の夕方。
今回のツアーの参加者は11名。旅好きの素敵な方ばかりでした。おなごり惜しく、全員で写真撮影。

そしてキューバの現在に至るまでの歴史、人々の暮らしを完璧な日本語で詳しく説明して下さったオズワルドさん。長距離の移動を安全に運転して下さつたエリアスさんとも記念の1枚。

写真には写っていませんが、添乗員の田中智子さんにも大変お世話になり、楽しい旅が出来ました。
                 
キューバ革命を成功させたフィデル・カストロは90歳を過ぎた今もご存命です。月々約800円の年金で国民と同じ暮らしをしています。何十年も君臨した独裁者ながら、偶像崇拝されることを嫌がっており、法律で禁止させているため キューバ国内に彼の銅像肖像画はほとんどありません。

弟のラウル・カストロは革命以来、軍内での基盤が堅く、アメリカとの闘争などでは兄よりも強硬派とされていました。1962年のキューバ危機では最後まで強硬論を兄に進言し続けていたのですが、2008年2月フィデル・カストロの引退後 第2代国家評議会議長に就任したラウルは、就任後の2008年11月に行ったインタビューで、アメリカとの関係改善に含みを持たせ、以来アメリカとの関係改善に努め、結果2015年7月には正式にキューバアメリカの国交が回復しました。

フィデル・カストロの後 第2代国家評議会議長に就任したラウル・カストロは某国のような体制で就任したのではなく、議員の全会一致で国家評議会議長に選出され、国家評議会議長に就任しました。その生活レベルも、国民と同じです。

米国と54年ぶりに国交を回復したキューバに対し、各国が観光・天然資源に恵まれたキューバとの関係強化に乗り出しています。

アメリカと国交を回復したからといって国家体制がすぐに変化するわるわけではないけれど、政策転換によって他の国々との経済的交流が増えることはキューバにとっては前進の一途であると思います。それにより物資も増え、生活水準が上がることを願っているという人が多いようですが、時代の変化の適応度の差により、貧富の差が今後拡大していくであろう事は容易に想像できました。

資本主義が陥る日本の現状を見ていると、今後キューバがどのように変化して行くのかとても興味があります。

キューバは資本主義に変わっていくのだろうか? 無料の医療制度や教育など、革命によって実現した社会的成果は存続できるのだろうか?多くの人が今以上に幸せを感じる国になれるのか?
再びキューバが米国の属国にならないように祈るばかりです。

古き時代の名残と、急速に変化をはじめたキューバの今を垣間見ることが出来た貴重な旅となりました。
           
            クラブツーリズムア 「カリブ海の真珠キューバ5都市周遊8日間の旅」