料亭 「あをぎり」で鯨料理

昨日は「田川市石炭 歴史博物館」のことをご紹介しましたが、田川でのお食事は、鯨料理で有名な 料亭「あをぎり」がお薦めです。
建物は近代建築遺産に認定されています。

          

今でこそ鯨は高級ですが、私が小学生の頃は鯨は学校給食でも出るお安い食材でした。
最近では貴重な食材となり、めったに頂くことが出来ません。「あをぎり」での鯨料理は懐かしく、
とても美味しく頂きました。

九州では江戸時代から捕鯨が盛んに行われてきました。 長い間 鯨を食べる歴史があり、長崎では豊かな鯨食の文化が発達しました。 昭和三十年代 近代捕鯨の発祥の地 下関は、 その最盛期を迎え、鯨肉の流通加工の拠点としても大いに栄えたそうです。そして、八幡の製鉄、筑豊の石炭に従事する人々を中心に 大量の塩鯨が消費されました。

鯨が北九州の食文化に密接であった事を、私は今まで知りませんでした。 特に筑豊では鯨が身近な食べ物だったようです。 高温多湿の炭坑内でも変質しにくい塩鯨は、 労働者の塩分補給と
貴重なタンパク源だったそうです。 また神幸祭のお供え物として塩鯨が使われていたなど、 筑豊では鯨が暮らしと文化に根付いていたそうです。

「塩クジラ」は保存がきく上に、低価格の海のタンパク質で、高価な牛肉に手が出にくかった炭坑労働者たちは、好んで食 べたそうです。

もちろん今では九州でも鯨はとても高級な食材です。

色々な調理法のお料理が出る「くじらづくし」

          

鯨の龍田あげも、ベーコンも昔はよくいただきましたが、最近ではほとんど頂かなくなりました。
久しぶりの鯨料理はとても美味しく、また少々懐かしいお味でした。
                         ☆☆☆☆☆
「あをぎり」のランチメニューは沢山あります。

山本作兵衛翁の炭鉱記録画・記録文章がユネスコ「世界記憶遺産」に登録されたことをを記念し
新しいお昼の御膳もできたそうです。これも美味しそうですね。
●箱膳の内容(山の形をした御飯・石炭コロッケ・季節の煮物)●旬の魚料理●和え物●特製汁物
●向附に「あをぎり百年床漬け」塩くじら・佃煮・梅干

          

珍しいお料理としては、黒いカレーもあります。
かつて炭鉱町として栄えたヤマの歴史を思い描いて作ったエスニック調のシーフードカレーだそうです。
          

食事の後、係りの方にお願いして、建物内を案内していただきました。
料亭“あをぎり”は大正3年に建てられた植木家屋敷で、その後田川市の初代市長、
林田春次郎翁が邸宅として購入
。昭和9年に新館を建設し、銅御殿と人々に親しまれて
きました。
          
2階建部の外観は妻部の棟端に鬼瓦を載せ、重厚な様相を示す真壁造りです。
迫力がありますね。
          

天井は折上げ格天井とし鏡板には荒目の神代杉を用いる。小壁を高く上げ檜の長押を二重に打ち回しています。

          
          
          

          

広縁の一番奥に案内して頂くと、書院があり、この部屋からは田川市が見渡すことが出来ます。
          
香春岳も眺めることが出来ます。
          

国政を目指す林田春次郎が、多くの支持者を招待していた迎賓館的な役割をした歴史的な建物で
のお食事、雰囲気も良くお薦めです。